この研究は、ニューロンのシナプス活動に対する50 Hzの交番磁界(1〜15 mT)の影響を調べた。その結果、グルタミン酸およびアセチルコリンに対するニューロンのシナプス活動は、50 Hzの交番磁界ばく露によって変化しなかった;カフェインおよびグルタミン酸はどちらも、異なる種類のニューロンに対して刺激または阻害のどちらかの効果を同じように引き起こすことが観察された;印加された50 Hz交番磁界がニューロンに引き起こす効果と、同じニューロンにカフェインおよびグルタミン酸が引き起こす効果とは似た効果であることが観察された;Ca2+ / K+イオンの濃度が異なるリンゲル液にカフェイン、グルタミン酸、または50 Hz磁界のいずれかの処置を与えた場合、それぞれで生じる反応にCa2 +イオンが関与することが示された;50 Hz交番磁界、カフェインおよびグルタミン酸よってニューロンへの似たような効果が誘導されることが観察されたことは、ニューロンの原形質膜と50 Hz交番磁界との相互作用のサイトゾルエフェクタはCa2 +イオンであることを裏付けている、と報告している。
カタツムリ(Helix aspersa)の食道下神経節から得た40個の単一ニューロン単位に対して実験を実施した。ニューロン活性を調べるため、推定される神経伝達物質としてグルタミン酸及びアセチルコリンを適用することで、一連の実験を実施した。異なるリンゲル溶液を適用した(K+フリー;通常のK+濃度の5倍;Ca+フリー;通常のCa+濃度の5倍)
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
15 s
|
|
適用した50Hz交流磁界は、グルタミン酸またはアセチルコリンで誘導したシナプスニューロン活性を変化させなかった。適用した50Hz磁界はグルタミン酸のシナプス影響に類似していた。50Hz磁界とカフェインについても類似した影響が観察された。リンゲル溶液の適用は、カフェイン、グルタミン酸または50hz磁界に対して誘発された応答には、Ca2+イオンが関与していることを示唆していた。
著者らは、50Hz磁界、カフェイン及びグルタミン酸について誘発されたニューロンへの影響が類似していることは、Ca2+イオンが、適用した50Hz磁界とニューロン細胞膜との相互作用の細胞質影響因子であることを裏付けるものである、と結論付けている。
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