この研究は、携帯電話基地局の送信機からのRF放射のばく露を受けている集団(ある一つの小地域の居住者)において、がんの発生率が増加しているか否かを調べた疫学研究である。ばく露があるとみなした携帯電話送信局の近く(A地域)に3 - 7年間居住し、ある1つのクリニックの診療所の患者であった人々(n = 622)をA地域群(ばく露群)とした。ばく露は、調査開始の一年前(基地局が稼働した時)に始まった。比較のために、環境、職場、職業が非常によく一致した特性を有し、かつA地域に隣接したB地域のクリニックで医療サービスを受けている人々(n = 1222)をB地域群(参照群)とした。結果として、A地域群では、わずか1年の間に8例の異なる種類のがんが診断された;これに比べ、全国一般人口集団での年間のがん発生率は10,000人あたり31例、B地域群では2/1222であった;女性がんの相対発生率は、A地域で10.5、B地域で0.6、ネタニア市全体で1であり、A地域は、B地域およびネタニア市全体に比べ、有意に高かった;女性がんの相対リスクで見ると、全人口での値に比べ、A地域での症例数は4.15倍多かった、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | ネタニヤの住民 |
参照集団 2 | 基地局までの距離が > 350mに住むB地域の人々 |
集団 3 | 基地局までの距離が ≤ 350mに住むA地域の人々 |
タイプ | 値 |
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合計 | 622 |
A地域の622人のうち、1年間(1997年7月-1998年6月)に異なる種類のがんの症例8人が診断された。A地域でのがん発生率は年間1万人当たり129人で、B地域では16人/1万人、ネタニヤでは31人/1万人であった。女性の相対的ながん発生率はA地域では10.5、B地域では0.6、ネタニヤでは1であった。
著者らは、がん発生率と携帯電話基地局の近傍に住むこととの本研究は関連を示している、と結論付けている。
潜伏期間は2年未満と非常に短かった。
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