研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[900 MHzの電磁界への出生前ばく露は21日齢の雄ラットの脾臓および胸腺の形態への影響、酸化的損傷のバイオマーカの変化を生じさせるか?] med./bio.

Can prenatal exposure to a 900 MHz electromagnetic field affect the morphology of the spleen and thymus, and alter biomarkers of oxidative damage in 21-day-old male rats?

掲載誌: Biotech Histochem 2015; 90 (7): 535-543

この研究は、900 MHz電磁界EMF)の出生前ばく露妊娠中のSDラットに1日1時間のばく露)を行い、ばく露群および擬似ばく露群から生まれた21日齢の雄ラット脾臓および胸腺組織学的パラメータを比較した。その結果、ばく露群では、対照群に比べ、胸腺組織マロンジアルデヒドMDA)レベルの有意な上昇、グルタチオンレベルの有意な低下が見られた;ばく露群では、脾臓組織のMDAおよびグルタチオンのレベル上昇、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の有意な低下が見られた;透過型電子顕微鏡検査では、ばく露群の脾臓および胸腺組織細胞の形態に病理学的な変化が見られた、と報告している。

研究目的(著者による)

ラット脾臓および胸腺における酸化ストレスおよび組織学に対する900 MHz電磁界への出生前ばく露の影響を調べること。

詳細情報

6匹の妊娠ラットを2群に分けた (各群n=3 ): 1) 電磁界ばく露群、2) 無ばく露対照群。それぞれの群から、生後21日目に6匹の仔ラットを無作為に選出し、検査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 900 MHz
ばく露時間: continuous for 1 hour/day between days 13 and 21 of pregnancy

ばく露1

主たる特性
周波数 900 MHz
タイプ
  • electromagnetic field
ばく露時間 continuous for 1 hour/day between days 13 and 21 of pregnancy
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 plexiglass jar (30 cm x 42 cm x 50 cm)
ばく露装置の詳細 setup consisted of an oscillator connected to a half-wave dipole antenna (1 mm x 15 cm copper rod) using a coaxial cable; the antenna was installed centrally approximately 11 cm into the open end of the jar; rats were placed within the jar at the same time
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 13.77 V/m mean 測定値 - -
電力密度 0.5 W/m² mean 測定値 - -
SAR 0.025 W/kg - 計算値 whole body -
電力 300 mW - - - approximate output power

Reference articles

  • Odaci E et al. (2015): [900 MHz電磁界の出生前ばく露が21日齢の雄ラットの腎臓に及ぼす病理学的影響]
  • Hanci H et al. (2013): [21日齢のラットの精巣に対する900 MHz電磁界への出生前ばく露の影響]
  • Bas O et al. (2013): [出生前の妊娠13日から21日まで900メガヘルツ電磁界にばく露した32日齢の雌ラットのアンモン角の錐体細胞消失]
  • Ikinci A et al. (2013): [仔ラットの海馬の形態および学習行動に対する900メガヘルツ電磁界への出生前ばく露の影響]
  • Odaci E et al. (2013): [雌の仔ラットの脊髄の形態および運動行動に対する出生前の900メガヘルツ電磁界へのばく露の影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

光学顕微鏡法では、ばく露群および対照群のどちらにおいても脾臓および胸腺での病理学的変化は何も観察されず、両群に有意差は見られなかった。

しかし電子顕微鏡検査では、ばく露群で脾臓および胸腺での病理学的変化(細胞およびオルガネラの変性)が見られたが、対照群では見られなかった。

ばく露群の胸腺では、対照群に比べ、脂質過酸化が有意に上昇し、グルタチオン減少量は有意に低下した。ばく露群の脾臓では、対照群に比べ、脂質過酸化およびグルタチオン減少量の両方が有意に上昇し、スーパーオキシドジスムターゼ酵素活性が有意に低下した。

著者らは結論として、「ラットの 900 MHz電磁界への出生前ばく露は、脾臓および胸腺酸化ストレスおよび病理学的変化を引き起こす可能性がある」と述べている。

研究の種別:

研究助成

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