研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz電界にばく露したATP刺激内皮細胞におけるCa 2+過渡応答の延長] med./bio.

Prolonged Ca2+ transients in ATP-stimulated endothelial cells exposed to 50 Hz electric fields.

掲載誌: Cell Biol Int 2005; 29 (3): 237-243

この研究は、ヒト臍静脈内皮細胞に、24時間、0.3または30 kV / m、50 Hzの正弦波電界ばく露を与え、細胞カルシウムの非存在下でATP刺激によって誘発される細胞内カルシウム濃度([Ca(2 +)](i))の変化を個々の細胞で観察した。その結果、ATP刺激前の[Ca(2 +)](i)の安静時レベル、またはATP刺激により誘発された[Ca(2 +)](i)ピークレベルのどちらについても、ばく露群と擬似ばく露群の間に差はなかった;しかし、ATP刺激に続く[Ca(2 +)](i)の初期トランジェントの持続時間は、30 kV / mの電界ばく露群において有意に延長した;イノシトール三リン受容体阻害剤であるキエストスポンジンCは、ATP誘発性の[Ca(2 +)](i)上昇をばく露群および擬似ばく露群のどちらにおいても阻害した;ATP受容体P2Yは[Ca(2 +)](i)の増加に重要な役割を果たすように見えた、と報告している。

研究目的(著者による)

細胞内Ca2+のピークレベル、及びCa2+トランジェントの持続時間に対する50Hz超低周波電界の影響を、ATPで刺激したヒト臍帯静脈内皮細胞においてFluo3蛍光を用いて調べること。

詳細情報

Ca2+シグナルに対する電界の影響力が、細胞内貯蔵からのCa2+の放出に関連しているかどうかを確認すること。イノシトール三リン受容体阻害剤(ゼストスポンギンC、10µM)の影響も調査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 24 h
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 24 h
  • 電界強度: 300 V/cm (corresponding induced current density in the medium was 0.42 mA/m²)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 24 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • parallel stainless steel plates, 10 cm apart
チャンバの詳細 CO2 incubator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 30 mV/m - - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 24 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 300 V/cm - - - corresponding induced current density in the medium was 0.42 mA/m²

Reference articles

  • Takahashi K et al. (2002): [血管に作用する物質によるヒト血管内皮細胞で誘導される細胞内Ca2+応答に対する低周波電界の影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

個々の細胞で、細胞外Ca2+がない状態で、ATP刺激によって生じた細胞内カルシウム濃度の変化が明らかになった。ばく露群と偽ばく露群で、ATP刺激前の細胞内カルシウム濃度の安静時レベル、または刺激によるピークレベルに差は認められなかった。但し、ATP刺激後の細胞内カルシウム濃度の最初のトランジェントの持続時間は、30kV/m電界ばく露によって有意に長くなった。

イノシトール三リン受容体阻害剤は、ばく露群及び偽ばく露群の両方で、細胞内カルシウム濃度のATPによる上昇を阻害した。細胞内カルシウム濃度の上昇には、ATP受容体P2Yが重要な役割を担っているようであった。

データは、超低周波電界はP2Yの活性化が関与するメカニズムによって血管内非細胞の機能を変化させることを示している。

研究の種別:

研究助成

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