研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[送電線への居住環境ばく露とリンパ増殖及び骨髄増殖性疾患のリスク:症例対照研究] epidem.

Residential exposure to electric power transmission lines and risk of lymphoproliferative and myeloproliferative disorders: a case-control study.

掲載誌: Intern Med J 2007; 37 (9): 614-619

研究の目的(著者による)

高圧電力線に近接した住居とリン増殖疾患または骨髄増殖疾患リスクとの関連を、オーストラリアにおける症例対照研究で調査した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 これまでの住居から電力線までの最も近い距離:> 300 m
集団 2 これまでの住居から電力線までの最も近い距離:51-300 m
集団 3 これまでの住居から電力線までの最も近い距離:0-50 m
集団 4 電力線までの距離が0-300m:0-15歳
集団 5 電力線までの距離が0-300m:診断前の15年
集団 6 電力線までの距離が0-300m:あり vs. なし
集団 7 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:0-15歳
集団 8 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:診断前の15年
集団 9 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:あり vs. なし
集団 10 電力線までの距離が0-300m:0-5歳
集団 11 電力線までの距離が0-300m:6-17歳
集団 12 電力線までの距離が0-300m:≥ 18歳
集団 13 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:0-5歳
集団 14 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:6-17歳
集団 15 電力線までの距離が0-300m、タスマニアのみで居住:≥ 18歳

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
参加者 854 854
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

患者19人(2.2%)及び対照9人(1.1%)が送電線から50m以内、患者75人(8.8%)及び対照55人(6.5%)が51-300mの距離に住んだことがあった。
送電線から50m以内に住んだことがあった人々には、送電線から常に300m以遠に住んでいたグループと比較して、リン増殖性または骨髄増殖疾患を発症するリスクの有意ではない上昇(OR 2.06、CI 0.87-4.91)が認められた。電力線から51-300mでの居住に関連したリスク上昇(OR 1.30、CI 0.88-1.91)も認められた。生まれてから15歳まで電力線から300m以内に住んでいた成人には、有意なリスク上昇(OR 3.23、CI 1.26-8.29)が認められ、生まれてから5歳まで同じ距離に住んでいた人々にはより高いリスクOR 4.74、CI 0.98-22.9)が認められた。これらの関連は、タスマニアにしか住んだことがないマッチングしたペアについて、より強められた。
著者らは、この結果は、送電線の近くでの、特に人生の初期における長期間の居住は、リン増殖性及び骨髄増殖疾患を発症するリスクを高めるかも知れない、という可能性を提起していると結論付けた。

研究の限界(著者による)

分析に利用可能な被験者の数は少なかった。

研究助成

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