[屋外行動中の人体に起因した個人ばく露計の統計的ゆらぎ] tech./dosim.

Statistical perturbations in personal exposure meters caused by the human body in dynamic outdoor environments

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (3): 209-217

【目的】個人ばく露計(PEM)による測定値には、人体の存在で生じる無線周波電磁界の擾乱に関連した誤差が常にある。この影響の特性を解析する新しい方法を示す。【方法】レイ・トレーシング法を用い、影付け効果近似を用いた場合と用いない場合について、PEM測定を模擬的に表した。広く用いられているGSM方式の周波数を選択し、ある程度の開放空間である屋外を人体が歩行している場合を想定した。このようにシミュレーションした結果を、実際に個人ばく露計を装着して行った35分間の散歩中の測定結果と比較した。【結果】実測値とシミュレーション値はよく一致した。一致度は、誤差の二乗平均平方根、電界の累積分布関数(CDF)に基づき検討した。影付け効果を考慮した場合に一致度は著しく改善した。人体がない場合の電界レベル分布は仲上分布に従うことが見出されたが、PEM測定値の統計量は仲上分布より対数正規分布に適合した。【結論】平均値相関係数を用いて調整できるかも知れないが、CDFにおける変化は影付け効果を用いないと体系的誤差が生じてしまうかもしれない。

ばく露