[人体頭部ファントムにおける無線周波の電力吸収に影響する携帯電話の設計上の特徴分析] tech./dosim.

Analysis of mobile phone design features affecting radiofrequency power absorbed in a human head phantom

掲載誌: Bioelectromagnetics 2013; 34 (6): 479-488

米国の連邦通信委員会(FCC)は、全ての携帯電話に、SARの空間ピーク値がいかなる組織1g平均においても限度値1.6 W/kgを超えないという要求を満たすことを証明する試験を命じている。FCCは試験データを一般に利用可能なように公表している。これらの試験データは、アンテナ出力最大値で動作時の携帯電話を用いてファントムで測定されており、携帯電話の形状、アンテナのデザインなどの設計要因、通信技術、試験日による多様なSARを評価できる。この論文はこのFCCデータベースを分析したものである(1999-2005年の技術の推移も含めて)。その結果、SARはサービス技術によって最も大きく変動する(AMPSで最大、GSMで最小);使用中のSARの最大の決定要因はアンテナ入力電力の時間平均値であり、この値は試験で用いられる最大出力よりはるかに低い;携帯電話の形状(棒型や二つ折り型など)、アンテナタイプ 、頭に対する向き(耳に接触させる、傾けるなど)も影響するが、その違いは最大でも2倍程度である;頭側はSARレベルに影響しない;携帯電話の設計や使用形態が長い時間で見て大きく変化しないと仮定して、種々の通信技術での相対的SAR を予測する標準化法を開発した(疫学研究でのばく露評価に応用可能である)、などを報告している。

ばく露