[オピオイド系薬剤と磁界知覚] med./bio.

The Opioid System and Magnetic Field Perception

掲載誌: Electro Magnetobiol 1999; 18 (3): 277-290

<目的>磁界生物体への効果は二つの観点から考えられるであろう。1)生物生理学的及び生化学的過程に影響する環境因子としての磁界の物理的性質、2)例えば空間座標のような行動を形づくる重要な因子としての磁界のもつ情報の内容。今まで文献に報告された渡り(回遊)に磁界が影響しているというデータは渡り(回遊)行動の研究から得られたもので実験によって得られたのは只一つである。実験データによれば動物の方向定位に果たす磁界の役割は疑問視されている。いくつかの実験データ(文献にある)から著者は磁界中枢神経系に作用し化学伝達物質-オピオイド系-を修飾することにより行動及び生理機能に影響すると考えた。本実験においては磁界のパラメーターが認識のための情報因子として作用し複雑な行動を組み立てるために利用されるか否かを対照群オピオイドを投与したラットについて検討した。 <対象・方法>雄Wistarラットを用いた。迷路学習の前に20匹のラットはOpilong-合成dermorphine、μ-受容体の協同体-0.05mg/kgづつを5日間筋注。コントロール群(n=20)は生食を筋注。迷路箱は90×70×40cmのplexiglas。図1に示すような設計になっている。磁界の強さは38.6±2.4μT。ラットは最初Sの点におかれる。餌を得るためにはS→O→A+orB+→DorEを繰り返さなければならない。13分間続けた。迷路箱の出口Eなどはそれぞれ意味があり迷路の枠組みを提供する。もし磁力線の方向が動物の最初の位置を決めるのに関連するとすれば後になって迷路箱を90°回転させると動物の方向定位を失わせるであろう。もし迷路箱の枠組みの方が意味があるのなら90°回転させても方向定位は保たれるであろう。ラット行動は無条件行動(表1)と条件行動(表2)に分類し記録した。

ばく露