研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[メラトニンは雄のSwiss albinoマウスの生殖細胞における無線周波放射(900 MHz)による酸化ストレス、DNA損傷及び細胞周期停止を減弱させる] med./bio.

Melatonin attenuates radiofrequency radiation (900 MHz)-induced oxidative stress, DNA damage and cell cycle arrest in germ cells of male Swiss albino mice

掲載誌: Toxicol Ind Health 2018; 34 (5): 315-327

この研究は、精子形成期の生殖細胞の発達に対するGSM 900 MHz無線周波RF)及びメラトニン補充の影響を調べたSwiss albinoマウスを以下の4群に割付けた:グループ1(RFばく露3時間×2回/日、35日間)、グループ2(RFばく露3時間×2回/日、35日間+メラトニン5mg/体重kg/日)、グループ3(メラトニン5mg/体重kg/日)、グループ4(非ばく露)。精子頭部の異常、総精子数、脂質過酸化生化学アッセイ還元グルタチオンスーパーオキシドジスムターゼ活性及び精巣組織学を評価した。加えて、精巣生殖細胞のサブタイプのフロー・サイトメトリ評価及びコメットアッセイを実施した。精子数の減少及び精子頭部の異常につながる減数分裂の前段階での精子形成の停止を伴う、ばく露群の生殖細胞における広範なDNA損傷が認められた。更に、生化学アッセイでは、過剰なフリーラジカル産生と、その結果としての精巣及び生殖細胞の形態における組織学的及び形態学的変化が、それぞれ認められた。但し、これらの影響は、メラトニン補充したばく露群では消失したか生じなかった。よって、メラトニンはその抗酸化能及びDNA修復経路の改善能力によって、雄の生殖細胞における減数分裂の前段階での精子形成の停止を阻害し、その結果としてばく露群における精子数及び精子の形態の正常化につながる、と著者らは結論付けている。

ばく露