[ワイヤレス電力伝送システムの近傍の人体等価液体ファントム内部でのばく露評価用の新たな外挿式] tech./dosim.

A new extrapolation expression for exposure evaluation inside a human-equivalent liquid phantom in the vicinity of wireless power transfer systems

掲載誌: Ann Telecommun 2019; 74 (1-2): 53–65

MHz帯で動作するワイヤレス電力伝送システムからの電磁界ばく露に対する人体安全性を担保するには、数値シミュレーションまたは測定のいずれかを用いた複雑な検査を実施しなければならない。実際には、ばく露評価には人体等価液体ファントム内での比吸収率SAR)測定が要求されるが、特にファントムの境界近傍では、SARプローブ自体による電磁界の擾乱のため、SARの正確な測定は困難である。このため、内部電界またはSARの判定には、外挿法を用いる必要がある。この研究は、内部電界強度またはSARの推定のための、ファントム内の電磁界の特徴に基づく新た外挿式を提案し、その妥当性を数値計算及び実験の両方で証明している。その結果、液体ファントム内の電界強度については、提案した外挿式とモーメント法との差は3%未満であることが確認された。2種類の実際のWPTシステム(ソレノイド型及びフラットスパイラル型)を用いたSAR測定では、提案した外挿式を空間ピーク10 g平均SARの評価に利用可能で、モーメント法で得た値との差は30%未満であることが示された、と著者らは報告している。

ばく露