この研究は、超低周波(ELF)磁界にばく露した雄のアカゲザルの視覚記憶、ホルモン、遺伝子および解剖学的変化を調べた。雄のアカゲザル4匹を行動学的試験のため17時間絶食させ、2匹を0.7 µTの12 Hz磁界に1時間/日、1か月間ばく露した。ばく露の前後に、可動台上の目に見える報酬を用いた視覚記憶試験を実施した。各動物の大腿動脈から血液を10 mL採取し、その半分を用いて血清コルチゾルレベルを調べた。残りの半分からリンパ球を抽出し、ばく露の前後でのグルココルチコイド受容体遺伝子の発現をPCR法で調べた。ばく露の前後での磁気共鳴画像撮影に基づいて偏桃体の解剖学的検査を実施した。その結果、12 Hz磁界ばく露後に、視覚記憶の有意な向上、および血清コルチゾルレベルの低下が認められたが、対照群では認められなかった。ばく露後の偏桃体の体積の顕著な変化は認められなかった。ばく露群では対照群と比較して、グルココルチコイド受容体遺伝子の発現が低下した。これらの結果は、ELF磁界には記憶向上の便益があることを示している、と著者らは結論付けている。
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