[イン・ビボげっ歯類バイオアッセイに採用された反射箱ばく露装置におけるモンテカルロ法ベースの数値計算ドシメトリ] tech./dosim.

Monte-Carlo Based Numerical Dosimetry in Reverberation Chamber Exposure Systems Employed for in-Vivo Rodent Bioassays

掲載誌: IEEE Access 2023; 11: 22018-22033

反射箱内で高周波RF)エネルギーにばく露したげっ歯類の大規模コホートにおける全身比吸収率(wbSAR)のばらつきの統計的特性評価のためのモンテカルロ法ベースの計算アプローチを、米国国家毒性プログラム(NTP)のがんバイオアッセイにおける成体の雄ラットばく露に適用した。レイリーフェージング特性を満たす多数の三次元電磁界実現化を、電気的に大容量の理想的な反射箱内で生成し、質量分布、姿勢、位置および向きが無作為の96個の同質のげっ歯類モデルのアンサンブルに対して粒上のwbSAR分布を生じさせた。各ラットの姿勢、位置および向きを固定した「瞬間ばく露」、ならびに、その後の各レイリー電磁界の実現化に対して位置、向きおよび姿勢が無作為にばらつく「終日ばく露」の2つのケーススタディを実施した。それぞれ500個および2500個の電磁界実現化または「スナップショット」を通じて、ラットの瞬間的なwbSAR、ならびに個々の時間平均wbSARは、対数正規分布に良好にフィットすることが示された。コホートにおける瞬間的なwbSARの大きなばらつきは、部分的には、反射箱のレイリー電磁界に固有のばらつきによるもの(70-80%)で、残りは体重、姿勢および位置のばらつきによるもの(20-30%)であったが、終日ばく露ではケージの位置の影響は小さいことが示された。界の実現化を通じたばく露平均化は、コホートにおけるwbSARの範囲を大幅に減少させる。ゆえに、RFによる熱作用を研究する場合、関連するばく露指標(適切な時間で平均化したwbSAR)は、非熱作用を扱う研究において関連する指標である瞬間的なwbSARよりも範囲が狭い。先行研究と比較して、この研究のアプローチは、計算上はより効率的であり、入射界と動物の姿勢、位置および向きを同時に変化させることで、モンテカルロ分析を可能にすることが示された。実際には、げっ歯類のバイオアッセイにおいてwbSARの標的の選択を提示し、過度の熱ストレスを回避しつつ、考えられるばく露量-影響傾向を同定することが可能となる、と著者らは結論付けている。

ばく露