研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[酵素触媒による イン・ビトロでのDNA及びRNA合成ならびにセルフリーDNAでのミスマッチ修復に対する高強度のELF磁界の影響] med./bio.

Effects of high ELF magnetic fields on enzyme-catalyzed DNA and RNA synthesis in vitro and on a cell-free DNA mismatch repair.

掲載誌: Bioelectromagnetics 2001; 22 (4): 260-266

この研究は、規定のシーケンスを持つインビトロモデル系を用いて、高レベルの超低周波(ELF)AC磁界がDNAの合成転写または修復に影響を与えるか否かを調べた。その結果、60 Hz、0.25 - 0.5 Tの磁界は、DNAポリメラーゼによるDNA合成、ならびにRNAポリメラーゼによるRNA合成の速度および忠実度に有意な影響を与えなかった;ヒト細胞抽出物によるmutS依存性ミスマッチ修復の効率にも、磁界ばく露の影響はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究は、超低周波磁界がイン・ビトロでのDNA合成、DNA転写またはDNA修復に影響を及ぼし得るか、また、それによって発がんに影響力を及ぼし得るか、という疑問に答えるために実施した。

詳細情報

DNAミスマッチ修復システムにおける異常は、ヒトのがんの主な原因の一つと考えられていることから、バクテリオファージ、DNAミスマッチ修復能力のあるヒト子宮がん(HeLa)細胞、及び大腸菌 E.coli は、いわゆる「DNAミスマッチ修復分析物」に用いられる。DNAミスマッチ修復は、間違った塩基配列の認識と修復のための細胞システムで、DNAの複製と組換え、ならびにある種のDNA損傷の修復の際に生じ得る。本研究では、超低周波磁界へのばく露が、バクテリオファージlacZ 遺伝子における塩基転移をヒト子宮がん細胞が修復する能力に影響を及ぼし得るかどうかを調査した。DNAミスマッチ修復の喪失は、着色した大腸菌プラークに見ることができる。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 1- 15 min for DNA synthesis; 1 - 30 min for RNA synthesis
ばく露2: 60 Hz
ばく露時間: 15 min
DNA mismatch repair

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 1- 15 min for DNA synthesis; 1 - 30 min for RNA synthesis
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two iron cores, each with the shape of the letter E, whose two outside yokes were in contact and the middle yokes were separated by 13 mm and encircled by the coils; test tubes placed in the central gap of this field generator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.25 T peak 測定値 - 0.25 T - 0.5 T
磁束密度 0.5 T peak 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 15 min
Additional information DNA mismatch repair
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 T peak 測定値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

DNA/RNA合成、またはDNA修復のどちらにも、超低周波磁界ばく露の統計的に有意な影響は認められなかった。

研究の種別:

研究助成

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