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がん

(2016年4月時点の英文ウェブページの和訳です)

無線周波電磁界がんをイニシェートまたはプロモートする可能性があるか否かという問題については、職場環境、個人および居住環境において多数の調査がなされました(TV放送レーダ、または移動
通信へのばく露など)。最近の研究活動は、ますます移動体通信に集中しています。これは、過去20年間における携帯電話利用の指数関数的増加のためです携帯電話は通話中、耳のそばに位置するため、頭
部が最も強いばく露を受けます。このため、特に脳腫瘍およびその周辺組織腫瘍に研究の焦点が当てられています。

脳腫瘍とは、脳の良性および悪性の腫瘍です。組織学的な細胞の種類により、例えば、神経膠腫髄膜腫聴神経鞘腫などに分類されます。神経膠腫は、脳の支持組織(グリア細胞)から発生するもので、
最も良くあるタイプの脳腫瘍です。髄膜腫は、髄膜(脳を被う組織の層)から発生する良性腫瘍です。聴神経鞘腫は、聴神経のシュワン細胞から発生する良性増殖の遅い腫瘍です。

脳腫瘍に特有の問題はその発生場所にあります。頭蓋で取り囲まれているために脳の空間は限られており、増殖する腫瘍は着実に脳内圧力を上昇させます。このため、たとえ良性腫瘍であっても脅威となり
ます。なぜなら、良性腫瘍による組織押し出しだけで、中枢神経系の深刻な症状および機能障害の誘発が起こり得るからです。脳腫瘍は、比較的稀なタイプのがんで、全がんに占める比率は1 %です(Robert-Koch-Institut, RKI)。2012年に世界中で悪性脳腫瘍に罹患したのは約250,000人でした(発症率:3.4/100,000人;データ情報源: IARC GLOBOCAN)。聴神経鞘腫の発症率は
、10万人年当たり1人です。

世界保健機関WHO)の国際がん研究機関IARC)の専門家グループが、無線周波電磁界ばく露によるがんに関する文献を取りまとめての評価を行い、無線周波電磁界はグループ2B「ヒトに対して発がん性>があるかも知れない」に分類されました(IARCモノグラフVol. 102, p.419)。疫学研究(例えば、インターホン研究)に>基づくリスク上昇の証拠は「限定的」と判定されました。動物研究の証拠もまた「限定的」と判定されました。無線周波電磁界の影響とがんの発生との間にあるかも知れない作用メカニズムについては、弱
い証拠のみがイン・ビトロ研究で観察されました。IARCの判定によれば、無線周波電磁界ばく露とその他の種類のがん(例えば、白血病リンパ腫乳がん、睾丸腫瘍)のリスクとの間の関連について十分
な証拠は見出されていません。

国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)は、疫学研究および動物研究に基づいた評価 (2011) において、携帯電
話使用開始から10-15年以内では成人がんリスク上昇はありそうにない、と結論しています。その評価の時点において、小児がんに関するデータおよび使用期間15年以上に関するデータは不足していまし>た。

携帯電話使用が増加していること、および15年以上に観察期間を延長した研究が欠如していることから、
WHOWHOファクトシート193WHO研究アジェンダ, p.12)は、>特に携帯電話への長期ばく露に関する研究の追加を推奨しました(例えば、COSMOS研究、CEFALO研究、MOBI-KIDS研究)。小児および思春期層は、現在の成人に比べその生涯でのばく露期間が長くなると予>想されることから、特に彼らについて研究するのは当然のことでしょう。

新興・新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR)は意見書(2015, p.5)におい>て、携帯電話に関する疫学研究は全般として脳腫瘍リスク上昇を示さなかった、と明言しています。一部の研究が、神経膠腫および聴神経鞘腫リスク上昇を示唆しました。しかしながら、コホート研究
および発症率の時間推移研究の結果は神経膠腫リスク上昇を支持しませんでした。聴神経鞘腫との関連の可能性についての答えは出ていません。SCENIHRに拠れば、成人および小児のその他のがんに関す>るリスク上昇の証拠はありません。

ドイツ放射線防護委員会(SSK)は
評価 (2011, p. 8)(ドイツ語のみ)において、がんリスク移動体通信ばく露との間の関連を示す証拠は不十分である、と明言しています。ドイツ連邦放射線防護局 は、携帯電話疫学研究を根拠として、成人でのがんリスク上昇はないと明言しています。

移動体通信関連のばく露がんに関する詳細情報および全ての研究の概観は、疫学研究および実験研究でご覧になれます。
小児および若齢動物に関する詳細情報および研究の概観は、疫学研究 および実験研究でご覧になれます。