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ドイツにおけるばく露限度値(一般公衆)

(2016年3月時点の英文ウェブページの和訳です)

ドイツでは、静電磁界低周波および無線周波電磁界に関するばく露限度値は、電磁界に関する政令(26. BlmSchV)によって法的に規制されています。この規制は固定設備(携帯電話基地局または電力線など)にのみ適用されます。

規制対象となる3種類の電磁界利用が定義されています。これらの電磁界利用に関する規制は、低周波および高周波における参考レベル (cf. 参考レベル) の2つの表に示されています(表をご覧下さい)。短時間の限度値超過の許容など、いくつかの除外事項も規制において定義されています。日常生活で用いられる無線応用装置、家庭用電気設備、または家庭電化製品はこの規制の対象ではありません。このような事例では、装置および製品の安全のための規制(例:ドイツ工業規格(DIN規格))を適用する必要があります。これらの規格は欧州全域で調和がとられており、本質的にはICNIRP、EU[1],[2]の国際ガイドラインを引用しています(cf. ばく露限度値)。
26. BImSchVに準拠した周波数範囲0 Hz - 10 MHzに関する参考レベル
26. BImSchVに準拠した周波数範囲100 kHz - 300 GHzに関する参考レベル
2つの表において、3 kHzから10 MHzへの移行範囲で、周波数範囲の重複があります。神経系への刺激作用または身体組織への熱作用(またはその2つの組み合わせ作用)に注意を払う必要があることが考慮されています(基本制限の章をご参照下さい)。1998年のICNIRP限度値および、周波数範囲1 Hz - 100 kHzに関する2010年の改訂版に基づいています。したがって、9 kHzから10 MHzまでの周波数範囲の高周波システムの場合、その事例に応じて2つの表が適用されます。それに加えて、高周波システムの場合、総和の効果を考慮する必要があります(例えば、他の固定設備からの寄与を考慮すること、あるいはいくつかの小規模システムからの出力合計が10 Wまたはそれ以上に達するかどうかを考慮すること)。

詳しい解説、定義、特別規定を記した26. BlmSchV 実施に関する詳細な注意事項をドイツの環境汚染防止に関する州政府委員会(LAI)が作成しています。

電力線からのばく露限度値

周波数50 Hzで動作する電力供給システムには特別規定が適用されます。それは、磁束密度ばく露限度値の1/2の値を上回ってはならないというものです。したがってドイツでは、ICNIRP推奨の限度値200 µTではなく、今でも26. BlmSchVの2013年の改定前と同様に、限度値100 µTが適用されています。電界強度ばく露限度値は5 kV/mです(cf.超低周波の電界および磁界 (0,1 Hz–1 kHz)の影響 図:“磁束密度および電界強度閾値”)。低周波システムの場合、その設置が2013年8月22日以前のシステムの電界強度に関しては、短時間の限度値超過(2倍以下の超過が1日の5%以下の時間まで)および小範囲での超過(建物外部において2倍以下の超過)が許容されます。26. BlmSchV改訂版は最小限の原則を与えます。新規設置の低周波および直流電力システムの場合、エミッションを可能な限り低くしなければなりません。電圧が220 kVおよびそれ以上の電力線は、どのような期間であっても永住するつもりの建物またはその一部の上をまたぐことは許可されません。

高電圧直流送電システムHVDC)を含む直流電力システム(0 Hz)の場合、静磁界による心臓植込み装置への電磁干渉を除外する目的で、磁束密度限度値500 µTが設定されています。

移動体通信システムからのばく露限度値

26. BImSchVでの規制は、携帯電話基地局の運転に関する限度値を与えますが、携帯電話の使用に関しては与えていません。携帯電話の安全使用は、国際的に承認された製品基準により確保されています(以下をご覧下さい)。全ての製品の安全使用はこれらの基準を満たさなくてはなりません。さまざまな移動体ネットワークに関する限度値は、表の参考レベルから導き出されます。
26. BImSchVに準拠した、携帯電話基地局の適用範囲にあるさまざまな移動体ネットワークに関する参考レベル
出典: [1]: ドイツ連邦放射線防護局, [2] (p.511): ICNIRP

基地局遠方界)の場合、参考レベルの遵守は、対応する周波数範囲のICNIRP基本制限、すなわち全身平均SAR値0.08 W/kgの遵守を保証します(基本制限の章をご参照下さい)。

比較的強い 局所的ばく露のため、参考レベルの適用は携帯電話の安全性評価には適していません(参考レベルの章をご参照下さい)。そのため、携帯電話の製品基準(例えば、IEC/EN 62209-1, IEC/EN 62209-2, 欧州規格 EN 50360 , IEEE 1528-2013)が、そのままICNIRPガイドラインの基本制限(cf. 基本制限)の遵守を表します。したがって、携帯電話の主な周波数範囲における局所SARには以下の値が適用されます。前述のようなSAR限度値は、以下の事実に基づいて確立されました(出典:ドイツ連邦放射線防護局)。
短時間の局所的な熱作用(例えば、熱い飲み物を飲んだ時)または1 °C以内の深部体温の短時間上昇(例えば、身体運動中)は無害で、健康な人では身体的に調節されますが、長時間にわたる深部体温の1 °C以上の上昇は、医学的な理由で健康に悪い影響を引き起こすこともあり得ます。この点において頭部は特に敏感であるため、防護されなければなりません(例えば、照りつける太陽の熱に曝される場合に帽子をかぶって防護するように)。実験および計算から、無線周波電磁界が一様に全身に与えられた場合、身体に電磁界が引き起こすSAR値4 W/kgのエネルギー吸収で、約30分以内に約1 °Cの深部体温上昇が生じることが解明されています。一般公衆のプレコーション的な防護のため、推奨された基本制限値は、このSAR値に安全係数50を持たせた低い値、すなわち全身ばく露の場合には0.08 W/kgに設定されています。この値は、無線周波電磁界発生源からの遠方界(例えば携帯電話基地局から放射される電磁界)中での一様ばく露にとって適切なものです。携帯電話を使用する状況のような非一様な局所的ばく露における身体の一部での過剰な局所的温度上昇は除外しなければなりません。その場合、頭部の敏感な部位だけでなく体幹でも、SARが身体組織10 g当たり0.02 W(2 W/kに等価)を超過しないことが望ましいです。感受性の低い四肢では、身体組織10 g当たり0.04 W(4 W/kに等価)が許容されます。ガイドラインに定められているように6分間で平均のは、体内に局所発生した熱の時間経過による分散を考慮するためです。