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生殖能力

(2016年4月時点の英文ウェブページの和訳です)

生殖力は、ヒト、動物植物が有性的に再生産するための能力です。ヒトおよび動物において無線周波電磁界生殖力を損なわせるか否かを研究するためにさまざまな方法が用いられています。ほとんどの
場合、携帯電話ばく露が調査されましたが、Wi-Fiばく露も調査されています。ヒトでは、主に男性生殖力(特に、精子の質と量)が調査されています。その理由は、ズボンのポケットの中の携帯電話およ>び膝の上のラップトップコンピュータが睾丸に接近するからです。この接近性が装置からの無線周波電磁界精子に影響を与えるかも知れないという危惧を生じさせました。動物研究では、生殖器官および
発達異常に関する影響の可能性を中心に子孫が調査されました。ヒトおよび哺乳類に関する研究に加えて、鳥類やミバエでの研究、それから直接的な精子のイン・ビトロ研究も実施されています。

ばく露ばく露限度値を上回る熱的範囲にあり、1°Cを超える著しい組織の加温を引き起こす場合、無線周波電磁界による生殖および発達の障害が生じるかも知れないことに疑問の余地はありません
ICNIRP 2009, p. 183SCENIHR 2015, p. 147)。精巣精子卵母細胞胎児および新生児は温度に特に敏感であると考>えられています。

非熱的範囲の電磁界のネガティブな影響の可能性について知識を得るために、ばく露限度値以下のばく露で上述のような影響が調査されました。

ドイツ連邦放射線防護局(BfS)を代表して実施された無線周波電磁界の男性生殖力への影響に関するレビューにおいて、Pophofは入手された科学文献を分析し、以下の結果を得ました (Pophof 2014) のウェブサイトにドイツ語の要約が掲載されています):入手された7件のヒト研究(ばく露限度値以下のばく露で実施された男性生殖力に関する研究)のうちの6件が、頻繁な携帯電話使用が生殖力低下につながるか>
も知れないことを示唆した;しかし、結果を歪ませたかも知れない影響因子は部分的にのみ考慮されたか、全く考慮されなかった;その上、研究のほとんどは既に生殖に問題を抱えていた患者で実施された
、というものです。

部分精子イン・ビトロ研究では、調査されたパラメータの少なくとも一つで電磁界の影響によるある種の変化が検出されましたが、その一方、いくつかのその他のパラメータはしばしば変化しないまま
でした。Pophof(2014)に拠れば、全ての古い年代の研究は、さまざまな程度の方法論的欠点を持っています。このような研究の多くで、熱的影響が排除されていません。最近の研究品質が向上したイン・
ビトロ研究では、精子への影響はSAR値が1 W/kgまたはそれ以上において示されています。

Pophof(2014)に拠れば、生殖力に関する動物研究は、その大部分に方法論上の重大な弱点による欠陥があり、得られた結果も一貫性がなく、部分的に矛盾していました。Pophof(2014)に拠れば、科学的
な品質基準の最小限の要求を満たした研究においては、最大4 W/kgまでのばく露でさまざまな生殖パラメータに対する電磁界のネガティブな影響が何も示されていません。しかし、これらの研究も全ての可
能性のある生殖パラメータをカバーしてはいないため、高品質のさらなる研究の必要性を示唆しています。

生殖力に関する全ての実験研究の概観は、EMFポータルの携帯電話に関する研究の概観を参照して下さ>い。

欧州連合の新興・新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR)は2015年のレビューにおいて、Pophof(2014)と同様の結果に至りました。男性生殖力への影響に関する最終評価結果は、信>頼性の高い研究の欠如のため不可能なこと、妊娠中の母親が携帯電話を使用することにより妊娠の結末に悪い影響が出るか否かについては、まだほとんど調査されていないこと、精子損傷するような影響
に関する動物研究の場合、もっと大きなサンプルサイズでの再現研究が必要不可欠であることを挙げました。全体的な結論は、低レベル無線周波電磁界生殖または発達への影響を否定する証拠は強い重み
があるというものです(SCENIHR 2015, pp. 147 and 152)。

同様の評価を国際非電離放射線防護委員会ICNIRP 2009)および世界保健機関WHO研究アジェンダ2010)が公表しました。
生殖への有害な影響を示した多くの研究は相互に矛盾があり、重大な方法論上の欠陥を持ち、研究方法および技術の詳細(実験に用いた正確なばく露強度など)について十分な情報を提供していません。IC
NIRP、SCENIHR、およびWHOは、さらなる研究の必要性を認めていますが、その優先度は高くありません(例えば、SCENIHR 2015, p. 221WHO研究アジェンダ2010, p. 18)。

国際および国内の専門家委員会の評価による全体的結果は、入手された研究には多くの方法論的欠点があるため、信頼できる結論を導くことは不可能であるというものです。すなわち、無線周波電磁界の生
殖力への有害な影響を支持または反証する十分な科学的証拠はどちらも現時点では入手できていないということです。無線周波電磁界の影響に関するWHOからの新たな詳細にわたる見解は2016年に公表予定>です(ファクトシート№193, 2014)。