研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[異なる年齢層集団における携帯電話およびコードレス電話の使用およびそれの脳腫瘍との関連性] epidem.

Cellular and cordless telephone use and the association with brain tumors in different age groups

掲載誌: Arch Environ Health 2004; 59 (3): 132-137

この研究は、携帯電話およびコードレス電話の使用と脳腫瘍の発症リスクとの関連の可能性を調べた症例対照研究である。症例1,617人および対照1,617人をリクルートし、症例1,429人(参加率88 %)および対照1,470人(参加率91 %)が質問票に回答した。分析の結果、アナログ携帯電話の使用における脳腫瘍オッズ比OR)は1.31、95 %信頼区間(CI)= 1.04-1.64となり、その内の同側使用ではOR = 1.65、95 %CI = 1.19-2.30に増加した;アナログ電話の同側使用において、リスク上昇は20〜29歳の年齢層で最大で、OR = 5.91、95 %CI = 0.63-55であった;使用年数 > 5 年の群では、アナログ電話(OR = 8.17、95 %CI = 0.94-71)およびコードレス電話OR = 4.30、95 %CI = 1.22-15)に大きなリスク上昇が見られた、と報告している。[JEIC注:著者らは、この論文と同一の症例対照研究データベースを用いて、FEMU ID9105, 9520, 9361, 11953(それぞれの公表年は2002, 2003, 2002, 2005年)の論文で再分析を繰り返している]

研究の目的(著者による)

本研究では、携帯電話及びコードレス電話の使用と脳腫瘍リスクについてのスウェーデンにおける症例対照研究publication 9105 参照)のデータベースの更なる分析を実施した。

詳細情報

更に、同じ症例対照研究publication 9105)のデータベースについての追加的な分析が、publications 95209361 及び 11953 にある。
診断前の1年以内に携帯電話またはコードレス電話の使用を開始した被験者は非ばく露群に分類した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 非ばく露
集団 2 アナログ、全年齢、潜伏期間 > 1 年
集団 3 アナログ、20-29歳、潜伏期間 > 1 年
集団 4 アナログ、30-39歳、潜伏期間 > 1 年
集団 5 アナログ、40-49歳、潜伏期間 > 1 年
集団 6 アナログ、50-59歳、潜伏期間 > 1 年
集団 7 アナログ、60-69歳、潜伏期間 > 1 年
集団 8 アナログ、70-80歳、潜伏期間 > 1 年
集団 9 アナログ、全年齢、潜伏期間 > 5 年
集団 10 アナログ、20-29歳、潜伏期間 > 5 年
集団 11 アナログ、30-39歳、潜伏期間 > 5 年
集団 12 アナログ、40-49歳、潜伏期間 > 5 年
集団 13 アナログ、50-59歳、潜伏期間 > 5 年
集団 14 アナログ、60-69歳、潜伏期間 > 5 年
集団 15 アナログ、70-80歳、潜伏期間 > 5 年
集団 16 アナログ、全年齢、潜伏期間 > 10 年
集団 17 アナログ、20-29歳、潜伏期間 > 10 年
集団 18 アナログ、30-39歳、潜伏期間 > 10 年
集団 19 アナログ、40-49歳、潜伏期間 > 10 年
集団 20 アナログ、50-59歳、潜伏期間 > 10 年
集団 21 アナログ、60-69歳、潜伏期間 > 10 年
集団 22 アナログ、70-80歳、潜伏期間 > 10 年
集団 23 デジタル、全年齢、潜伏期間 > 1 年
集団 24 デジタル、20-29歳、潜伏期間 > 1 年
集団 25 デジタル、30-39歳、潜伏期間 > 1 年
集団 26 デジタル、40-49歳、潜伏期間 > 1 年
集団 27 デジタル、50-59歳、潜伏期間 > 1 年
集団 28 デジタル、60-69歳、潜伏期間 > 1 年
集団 29 デジタル、70-80歳、潜伏期間 > 1 年
集団 30 デジタル、全年齢、潜伏期間 > 5 年
集団 31 デジタル、20-29歳、潜伏期間 > 5 年
集団 32 デジタル、30-39歳、潜伏期間 > 5 年
集団 33 デジタル、40-49歳、潜伏期間 > 5 年
集団 34 デジタル、50-59歳、潜伏期間 > 5 年
集団 35 デジタル、60-69歳、潜伏期間 > 5 年
集団 36 デジタル、70-80歳、潜伏期間 > 5 年
集団 37 コードレス、全年齢、潜伏期間 > 1 年
集団 38 コードレス、20-29歳、潜伏期間 > 1 年
集団 39 コードレス、30-39歳、潜伏期間 > 1 年
集団 40 コードレス、40-49歳、潜伏期間 > 1 年
集団 41 コードレス、50-59歳、潜伏期間 > 1 年
集団 42 コードレス、60-69歳、潜伏期間 > 1 年
集団 43 コードレス、70-80歳、潜伏期間 > 1 年
集団 44 コードレス、全年齢、潜伏期間 > 5 年
集団 45 コードレス、20-29歳、潜伏期間 > 5 年
集団 46 コードレス、30-39歳、潜伏期間 > 5 年
集団 47 コードレス、40-49歳、潜伏期間 > 5 年
集団 48 コードレス、50-59歳、潜伏期間 > 5 年
集団 49 コードレス、60-69歳、潜伏期間 > 5 年
集団 50 コードレス、70-80歳、潜伏期間 > 5 年
集団 51 コードレス、全年齢、潜伏期間 > 10 年
集団 52 コードレス、20-29歳、潜伏期間 > 10 年
集団 53 コードレス、30-39歳、潜伏期間 > 10 年
集団 54 コードレス、40-49歳、潜伏期間 > 10 年
集団 55 コードレス、50-59歳、潜伏期間 > 10 年
集団 56 コードレス、60-69歳、潜伏期間 > 10 年
集団 57 コードレス、70-80歳、潜伏期間 > 10 年
集団 58 アナログ、全年齢、同側
集団 59 アナログ、全年齢、反対側
集団 60 アナログ、全年齢、同側/反対側
集団 61 デジタル、全年齢、同側
集団 62 デジタル、全年齢、反対側
集団 63 デジタル、全年齢、同側/反対側
集団 64 コードレス、全年齢、同側
集団 65 コードレス、全年齢、反対側
集団 66 コードレス、全年齢、同側/反対側

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 1,617 1,617
参加者 1,429 1,470
参加率 88 % 91 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

アナログ携帯電話のユーザーの脳腫瘍、特に同側使用について、統計的に有意なリスク上昇。コードレス電話については、20-29歳の年齢グループに、統計的に有意なリスク上昇が認められた。

研究の限界(著者による)

10年を超える潜伏期間についての結果は少ない数に基づいている。

研究助成

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