研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[ポーランドの女性における職業と乳がん:集団ベースの症例対照研究] epidem.

Occupation and breast cancer risk in Polish women: A population-based case-control study

掲載誌: Am J Ind Med 2007; 50 (2): 97-111

【背景】乳がんの原因は十分理解されておらず、乳がん発症における職業ばく露の役割も明らかではない。【方法】集団ベースの症例対照研究が、2000~2003年に乳がん診断された2386人の症例群と2502人の対照群で行われた。これまでの職歴と他の考えられる乳がん危険要因に関する情報が個人的な聞き取りによって得られた。可能性のある交絡因子を調整した後、様々な職業と産業に関するオッズ比(OR)が条件付きロジスティック回帰分析によって計算された。【結果】統計的に有意な乳がんの高い数値は、エンジニア(OR=2.0、95%CI:1.0-3.8)、経済学者(OR=2.1、95%CI:1.1-3.8)、販売小売業(OR=1.2、95%CI:1.0-1.5)、他の販売業(OR=1.2、95%CI:1.0-1.5)で確認された。目立って高い危険性を示した産業には、特別取引請負業(OR=2.2、95%CI:1.2-4.3)、電子/電気機器製造業(OR=1.7、95%CI:1.1-2.7)、他で分類されていない行政/一般公務員(OR=2.7、95%CI:1.3-5.7)が含まれた。これらの各結果は、雇用期間(P<0.05)に対する統計的に有意な正比例傾向によって裏付けされた。管理人や清掃作業員(OR=0.7、95%CI:0.5-0.8)では乳がんの危険性は低かった。【結論】今回の研究では、乳がんと職業または産業との関係性はほとんど確認されなかった。電子/電気機器製造業や磁界ばく露の可能性のある職業の場合の示唆に富む発見は、今後さらに研究していく価値があることを示している。

ばく露