静電磁界 (0 Hz)の影響

(2016年4月時点の英文ウェブページの和訳です)

電磁界の主たる作用は、電気力および/または磁気力であり、それらは帯電した身体内部および体表構造に機械的に、または磁気誘導を介して影響を及ぼします。このため、これらの界は電荷(例えば、
イオンまたは表面電荷)の移動誘導し、それが微視的および巨視的スケールでの分極、帯電作用、および放電を引き起こします。

静電界

静電界が十分に強い場合、微視的な放電および体毛の動き(互いに反発し合い、その後、直立する)により皮膚表面の電荷が知覚されます。この人体感知閾値は10 - 45 kV/mの範囲と記されています(ICNIRP)。静電界に関連した直接的で唯一の健康影響として知られているのは、ミクロショックへの長時間ば
く露により生じるかも知れないストレスです。しかし、これまでのところ、ヒトおよび動物での実験室研究において有害な影響は何も検出されていません(ICNIRP)。人体内部で直接的作用は起きません。なぜならば、人体の導電率が高いため、静電界は体表面で放電してしまい、身体を貫通することはできな
いからです。

静磁界

静電界とは対照的に、静磁界は人体組織を含むほとんどの材料を非常によく貫通し、潜在的には身体内のどの点でも作用が生じ得ます。磁界は、移動中の帯電体(例えば、細胞および体液中のイオン細胞
表面の電荷血液中の帯電した細胞)と相互作用し、誘導による電界電流を発生させます。これが、非常に高い磁束密度(2-3 Tまたはそれ以上;例えば磁気共鳴画像法に用いられる)の場合、感知はさ>れるものの害はない影響を引き起こすことがあります(例えば、目まい吐き気または金属味などの一過性の症状)。強い静磁界中を被験者が動く場合には、それも相互作用を引き起こし、体内での誘導
界および誘導電流の発生をもたらします(超低周波の電界および磁界 (0,1 Hz–1 kHz)の影響の章をご参照下さい)。

一般的に静電界および静磁界の作用は、その発生源までの距離が大きくなるにつれて小さくなります。