電磁界

超低周波および低周波の領域では、発生源からの電界磁界は別々に考えなければなりません。周波数が高くなるにつれて、電界磁界の相互の結びつきあるいは“結合”はより密接になります。その時、電界磁界電磁界とみなされます。 しかし、電磁界電界成分と磁界成分をもちます。約30,000 Hz (30 kHz)から上の周波数である無線周波領域では、電磁界はその発生源(例えばアンテナ)から“離れ”て、光速(約300,000 km/秒)で空間中を長距離にわたり自由に通過します。この性質を利用して、例えば、放送テレビジョン、移動体通信、無線データ通信などのように情報が送信されます(人工の無線周波電磁界も参照して下さい)。

伝搬中の直線偏波電磁波の時間 (t)における電界(E)および磁界 (H)。EとH は同位相でお互いに対し90度の角度をもち、互いに互いを生成する。

電磁界電力束密度Sは、電界成分および磁界成分のエネルギー部分から成り、ワット毎平方メートル(W/m2)を単位として測定されます。電磁界発生源からの距離が増すにつれて電磁界の強さは低下します。

100 kHzと10 GHzの間の周波数範囲では、生体組織吸収され、そこで大部分が熱へと変換される電磁界エネルギーの記述に一般的には比吸収率SAR)が用いられます。SARは、ワット毎キログラム(W/kg)で表され、適切な測定またはシミュレーションにおいて、6分間のばく露時間にわたり平均されたものです。この6分間で、生体組織におけるエネルギー入力と熱放散が平衡に達します。SARの平均をとる身体質量の違いにより、全身ばく露と局所ばく露(例えば、眼球のみ)に区別されます。