(2016年9月時点の英文ウェブページの和訳です)
電撃傷の帰結として、さまざまな組織および器官が損傷を受ける可能性があり、それらはいくつかのメカニズムに基づいています。以下に、関係することが多い組織、およびその組織が電撃により受ける典型的な損傷を示します。
末梢および中枢神経系
頭痛、意識不明、高血圧、記憶喪失、呼吸機能の麻痺、けいれんが、身体を貫通した電流の影響の結果として生じる可能性があります。
筋肉
身体で電流貫通中に起きる筋組織興奮は、さまざまな結末をもたらす可能性があります。筋収縮、心臓停止、呼吸機能の麻痺、またははしごからの転落につながる可能性がある反射的反応などです。
多数の筋細胞を刺激することで、離脱不能現象が起こり得ます:電撃受傷者が手で交流電力供給されている物体に触れている少しの間、反復的な(強縮性)刺激により前腕筋肉の収縮が起きます。この収縮のため、導電体を強く握りしめた状態になります(いわゆるフリーズ)。この状態を随意的に解除することは不可能です。前腕の屈筋は伸筋よりも強いため、指は曲げられて、握りを解くことを妨害します。このような筋収縮の力は非常に強くなる傾向があり、最終的には骨折や関節脱臼にまで至ることがあります。
心臓
特定タイプの不整脈が、電撃傷の結果として生じる可能性があり、それはさまざまな健康ハザードを伴います。十分に強い電流が人体を貫通した場合、心室の一つ一つの筋線維が非常に急速で非同期の収縮と弛緩をすることによって心臓の心室細動が起こり得ます。その結果として、血液が心臓から拍出されなくなり、全身への血液供給がなくなります。心筋細胞が自身のリズムを取り戻せない場合、患者が除細動器による救急処置を受けなければ、心室細動は死に至ります。除細動処置では、単発の強い電気パルスを心臓に送り、全ての心筋細胞を一様な興奮状態にさせた後に同期を取り戻させます。心室細動の発生確率は、身体貫通電流の流れる時間につれて高くなります。
皮膚
電撃傷の結果として、熱傷および深部壊死が皮膚表面および深部組織内に生じる可能性があります。重症度によっては傷害された四肢の切断に至る可能性があります。電流の流入点および流出点での傷害を電流痕と呼びます。皮膚が熱傷で損傷され、皮膚の電気抵抗が失われてしまうと、全身の電気抵抗はかなり大きく減少します。
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