自然の静電磁界

電磁界は地球上に常に存在します。自然発生の主な電磁界は、熱放射赤外線)、太陽からの可視光または紫外線です。火および落雷もまた電磁界の発生源です。さらに、地磁気および地面と大気上層の間の電界もあります。これについて、以下で説明します.

地球の磁場、いわゆる地磁気(GMF)は、地球を南極から北極へと取り巻く準静的な磁界です(図)。地磁気は、地球核の液体部分における電流が主な原因で生じます。両極での磁界は赤道の2倍の強さです。地磁気は、地質学的深度と緯度に依存し、地球表面では30-70μTの範囲にあります。したがって、地磁気は私達が継続的にさらされている最も強い磁界です。地面との関係では、磁力線は赤道で水平、両極で垂直に通ります。中央ヨーロッパでは、磁力線は斜めに地面に入ります。地表水平面と磁力線との角度を伏角と呼びます。

ポツダム地球科学研究センター(GFZ)のオンラインツールを用いて、ドイツの全ての位置で地磁気の大きさと伏角の測定が可能です。

地磁気

自然発生の電界もまた地球上に存在します。電界は主として地面と大気上層(電離層、高度70 km以上)の間に発生しています。電界を発生させる主な原因は太陽からの放射線と太陽風です。静電界の大きさは、太陽の活動、大気の導電性率、季節および気象に依存します。例えば、冬期の電界強度は270 V/mであり、これは夏期(130 V/m)の2倍の大きさです。対照的に雷雨中には、平坦な地形での電界強度が20,000 V/mに達することがあり、ピーク値は最大300,000 V/mです(落雷中)。この巨大な電界強度は、雷雲中の湿った暖気の塊が原因で発生します。落雷による突然の放電は電磁インパルス(空電)を生じさせます。これは遠距離であっても測定可能です (自然環境における中間周波電磁界も参照して下さい)。

地球上の電界