[脳腫瘍の環境リスク因子] review

悪性であろうと悪性でなかろうと、初発脳腫瘍は、人を大きく落胆させる。不幸にも、その原因が知られているものはほとんどない。脳腫瘍の環境的原因を特定しようとする何十年にもおよぶ疫学的研究にもかかわらず、ほとんど僅かな進展しか見られなかった。この論文の目的は、脳腫瘍の疫学における最も近年の研究をレビューすることである。成人脳腫瘍疫学における関心ある話題は、電磁場(特にセルラー電話)、職業上のばく露、ニトロソ基含有化合物(特にタバコ)、ヘア製品、アレルギーおよび免疫学的要因を含む。これらの話題のいくつかは、子供の脳腫瘍の病因にも当てはまる。しかし、小児科集団においては追加的関心領域として、受胎前の親のばく露、妊娠期間中の母親のばく露、そして、子供時代の感染因子へのばく露に焦点が当てられる。2001年以降の文献を広範囲にレビューした後、我々は最も関連のある研究を示す。脳腫瘍との関連性は多数提示されているが、確信をもって因果関係とするだけの統計的有意性はどれも持っていない。しかしながら、新しい知見や関連性、特にアレルギーと免疫学に関する結果は、更なる発展のために興味深い契機を示すであろう。