[数値計算による車内での携帯電話のSAR分析の第一報] tech./dosim.

Initial analysis of SAR from a cell phone inside a vehicle by numerical computation

掲載誌: IEEE Trans Biomed Eng 2007; 54 (5): 921-930

本論文の目的は、完全人体モデルが車内の様々な場所に置かれているときに、携帯電話によって生じる比吸収率(SAR)における実際の車体フレームの金属構造の影響を分析し、これらの変化の原因となる関連パラメータを明らかにすることである。全システムのモデリングと分析は、全波の有限差分時間領域(FDTD)数値法に基づくコンピューターシミュレーションによって実施された。励起には835MHzのλ/2双極子をハンズフリー通信装置または手で持つ携帯機器を想定して置いた。我々は、自由空間とみなした車両内部に置かれた人間モデルに関して、さまざまな断面での比吸収率(SAR)を比較した。車体フレームの存在は、比吸収率(SAR)分布を著しく変化させ、特に、双極子が身体から遠く離れているときほどその変化は大きい。この時点での結果は最終結論ではないが、比吸収率(SAR)分布の変化は身体への部分照射に対する現在のガイドラインの限度値を上回る増加は起こさないようである。しかし、全身照射に対しては意味を持っているかもしれない。確認された最も関連性のある変化は、放射電力に影響を与える双極子インピーダンスの変化であった。電磁界計算から補足的に得られた結果は人体が置かれた車両内電磁界分布の変化である。コンピュータ記憶容量とシミュレーション時間の要求を低く保ちながら、車両内に置かれた発生源について全車両モデルを最適化して、正確な結果が得られるようにした。

ばく露