[脳波の同時記録が可能なヒト誘発実験用のGSM900およびUMTSの新しい頭部ばく露システム] tech./dosim.

New head exposure system for use in human provocation studies with EEG recording during GSM900- and UMTS-like exposure

掲載誌: Bioelectromagnetics 2007; 28 (8): 636-647

GSM900型信号またはUMTS型信号へのばく露中のEEG記録を必要とする二重盲検式ヒト誘発研究のための新しい頭部ばく露システムを開発し、ドシメトリに関する評価を行った。このシステムは平面パッチアンテナを使用している。アンテナは、特別なヘッドセットで被験者の頭から65mmの位置に固定され、ヘッドセットは被験者に最小限の不快感を与え、また頭が動いた場合でも、頭に対するアンテナの位置がほぼ一定となるようにしている。頭に近接した小さなアンテナを操作するばく露設計法に比べ、頭から一定の距離をおいた平面アンテナによる方法は、脳の側頭葉頭頂葉により均一なSAR分布を生成する。また、頭部サイズの違い、組織の誘電特性の違い、頭に対するアンテナ位置の避けられない小さなずれ、これらの結果生じるばく露の不確かさは約3dBにまで縮小され、過去の文献で報告された頭部ばく露システムと比べ顕著な改善である。入射RF電磁場によって生じるEEG記録に対する電磁干渉を回避するため、適切な二重遮蔽フィルター回路を開発した。さらに、焼結Ag/AgCI EEG電極および電極リード線の存在が頭内部のSAR分布に及ぼす影響を研究し、電極リード線を入射電場ベクトルに対し直角に配置すると、影響が最小になることが確認された。しかしながら、入射電場ベクトルと平行にEEG電極を配置すると、頭内部のSAR分布に劇的な変化を引き起こす可能性がある。

ばく露

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