[マイクロ波ばく露による人の頭部リアルモデル内SAR分布への人体の影響] tech./dosim.

Body effects on SAR distributions for microwave exposures in a realistic model of the human head

掲載誌: J Microw Power Electromagn Energy 2007; 40 (3): 155-164

マイクロ波照射された人の頭部における比吸収率(SAR)の有限時間差分領域(FDTD)シミュレーションは、今まで、頭部のみのモデルに対して実行されてきた。この理由は、頭部の平均SARに対する人体の影響は1GHz周辺の高周波数では無視することができると考えられていたからである。しかし、この意見は不適切な計算条件に基づいており、従って信頼できない。この論文では、マイクロ波照射された成人の頭部のリアルな均質モデルにおけるSAR分布に対する人体の影響を再検討した。900MHzのE偏波マイクロ波照射された頭部のみのモデルの眼球表面上のSARは、全身モデルのそれよりも31%小さく、1.5GHzでは43%大きかった。実際上は、900MHzでは頭頂から腹部までが、1.5GHzでは頭頂から胸部までが、全身と見なせるサイズである。H偏波の場合には、二つの周波数において胸部部分で十分ということが示唆されたので、先行研究で不明確であったH偏波における人体の影響は、E偏波の場合よりも当然小さいと思われる。

ばく露