[携帯電話および電気機器の電流および磁束密度測定値の周波数スペクトラム] tech./dosim.

Frequency spectra from current vs. magnetic flux density measurements for mobile phones and other electrical appliances

掲載誌: Health Phys 2007; 93 (4): 279-287

ICNIRPガイドラインにしたがって人のばく露を評価する場合、電磁界周波数スペクトラムを測定しなければならない。文献では、磁界ガイドラインとの比較は、バッテリーからの電流周波数分布を用いて行われている。本研究では、携帯電話器表面付近で測定された磁束密度周波数スペクトラム(周波数範囲217 Hz-2.4 kHz)を、給電電流周波数スペクトラムと比較した。この2通りの測定結果について、ICNIRPガイドライン推奨の複数周波数ルールを用いて磁界ばく露を推定した。同様の測定と推定を、電気ドリル、ヘアドライヤ、デスク用蛍光ランプについても行った。これらの機器は基本周波数50Hzであり、周波数スペクトラムは550Hzまで検討された。また、3台の携帯電話器周辺の3次元磁界をマップした。2通りの測定方法で得た周波数分布は等しくなかった。電流周波数特性に基づいた場合、携帯電話器について2.2倍までの過剰な磁界ばく露推定が結果として起きる。電気ドリル、ヘアドライヤ、蛍光ランプについては、給電電流信号による2.3倍までの過少なばく露推定が起きた。結論として、正確なばく露評価のためには機器の磁束密度周波数スペクトラムを直接測定することが必要である。なお、ここで測定した機器が、通常使用される距離で参考レベルを超えるかどうかを示すものではない。

ばく露