[静的磁界の中での自然な動きあるいは変化する勾配磁界へのばく露によりヒト被験者のなかに誘導される電界の計測] tech./dosim.

Measurement of electric fields induced in a human subject due to natural movements in static magnetic fields or exposure to alternating magnetic field gradients

掲載誌: Phys Med Biol 2008; 53 (2): 361-373

二重双極子電界探針が用いられ、インビボの表面電界がひとりのヒト被験者において、周波数領域0.1-800Hzで計測された。低周波電界は、3Tの磁気共鳴全体スキャナーの周辺磁界における、自然な歩行や進路変更のような体動によって誘導された。磁界の変化率(dB/dt)もまた、電界探針の位置近くに置かれた3つの直行サーチコイルを使うことで同時に記録された。自然な体の回旋による磁界の変化率は、磁石ボアの端近くで1Ts-1を超えることが見出された。1Ts-1の磁界変化率に対して上腹部で、頭部で、舌を跨いで計測された典型的電界はそれぞれ、0.15±0.02, 0.077±0.003, 0.015±0.002 Vm-1であった。腹部、胸部上の電界が、一続きのエコープラナー撮像の最中、被験者にスキャナー内に入ってもらった上で計測された。スキャナーの勾配の変化率が10Tm-1s-1に固定されていたのに対し、計測された磁界の変化率は2.2±0.1Ts-1であり、ピーク電界は胸部で0.30±0.01Vm-1であった。誘導電界の値は与えられた被験者と検出器の位置に対する「幾何学的因子」によるdB/dtに関連付けられる可能性がある。(計測された表面電界での)腹部あるいは胸部に対するこの因子の典型的数値は0.10-0.18mの範囲にある。計測された電界の数値は、静的磁界内での動きと、勾配を持って切り替わっていく磁界へのばく露を探査する、現在入手できる無数のモデリング結果と符合している。

ばく露