[モバイル通信のマイクロ波へのばく露におけるリスク評価の問題点] misc.

Problems in assessment of risks from exposures to microwaves of mobile communication

掲載誌: Radiats Biol Radioecol 2007; 47 (6): 727-732

1970年の初めに発表された先駆的研究以降、健康への悪影響を含む非熱的(NT)マイクロ波(MW)に対する様々な生物学的反応は、世界中の多くの研究グループによって述べられてきた。それらは、非熱的マイクロ波生物学的反応は、複製研究で調整されなければならない様々な物理的パラメーターと生物学的変数に左右されることを明確に証明している。基本的な重要性とは別に、非熱的マイクロ波の影響についての包括的メカニズムを進展させることには社会的重要さがある。モバイル通信のマイクロ波の影響は、多くの国でそのばく露が増加していることから重要な問題となっている。健康電磁界(EMF)に敏感な人のリンパ球に対するGSM/UMTS携帯電話からの非熱的マイクロ波の悪影響は、搬送波周波数と変調に左右されることが示された。無線通信で使用されるマイクロ波の潜在的な悪影響をはっきりさせるためには、ヒト初代細胞動物、ボランティアでの研究がさらに必要とされる。ヒト細胞に影響を及ぼさないようなモバイル通信のタイプと周波数チャネル/バンドを確認することは、安全なモバイル通信の発達のために最優先の緊急必要事項である。非熱的マイクロ波の影響に関する多くのデータは、SAR概念だけをモバイル通信によるマイクロ波慢性ばく露に対する安全ガイドラインの根拠とすることはできず、他の手法が必要であることを明確に示している。しかし、マイクロ波ばく露基準を設定するためには、研究情報が十分ではない。モバイル通信に使用されるシグナルの様々な遺伝子的および後成的影響を研究する必要がある。マイクロ波幹細胞生殖器を含む様々な種類の細胞に影響を及ぼすことが示されてきた。最近のデータで、白血病を含む様々ながんは、幹細胞の後成的変化に基づく基本的な共通基盤をもつことが示されたことから、幹細胞は特に重要な細胞モデルとなっている。

ばく露