研究のタイプ: 疫学研究 (exposure assessment/dosimetric study)

[携帯電話からのばく露評価における想起バイアス] tech./dosim.

Recall bias in the assessment of exposure to mobile phones

掲載誌: J Expo Sci Environ Epidemiol 2009; 19 (4): 369-381

携帯電話使用研究の大部分では、ばく露評価を参加者による過去の携帯電話使用の報告に頼った、症例対照研究を用いている。そのような研究では、想起された携帯電話使用における差別的誤差が大きな問題となる。脳腫瘍リスク携帯電話使用に関する国際的な症例対照研究であるインターホンでは、そのような誤差を定量化し、想起バイアスの潜在性を評価するための確証研究も行った。インターホン参加のうちの3ケ国における212 の症例、296 の対照について、平均2 年にわたる携帯電話記録が通信網オペレータから収集され、聞き取り調査で報告された携帯電話使用と比較された。使用記録に対する使用報告の比率を一致度の尺度として分析した。比率の平均値は、通話回数では0.81 と過小見積もり、通話継続時間では1.4 と過大見積もりで、両方とも症例と対照で、事実上同じであった。聞き取り調査までの期間が増加するにしたがって、症例では比率が上昇し、対照では上昇しなかったが、このような傾向は長期間のデータを持つ数少ない対象者に基づいたものであった。使用レベル増加によって比率は上昇した。想起のランダム誤差は大きかった。結論として、全体的には、または、最近の期間については、想起の差別的誤差の証拠はほぼ無かった。しかし、症例で見られた、遠く隔たった期間についての過大見積もりが、携帯電話使用に関連した疾患リスク推定値のポジティブバイアスとなったかもしれない。

ばく露