[超高磁界下における新しい培養システム] tech./dosim.

A new cultivation system operated under a super high magnetic field

掲載誌: J Ferment Bioeng 1994; 77 (4): 453-456

<目的>高レベルの磁界を用いた細胞への曝露実験を行うための装置を開発すること。 <方法>実験装置は、培養装置部、磁界曝露部、対照部で構成される。曝露部および対照部の反応皿は同一のレール上に置かれレールごと水平移動させる。実験空間の容量は200mlと大きく、媒質の定期的なサンプリングが可能である。磁界曝露部はNMR用の超電導磁石で構成される。磁石は液体ヘリウムに浸され、磁石の支持部は液体窒素で周囲を覆った。励磁電流を調整することにより0.5T~7Tの磁界が発生可能である。磁界が一様な空間(±0.5%)は、半径10㎝。軸方向長さ20cmの円筒状の空間である。一様空間より少し離れた位置では、傾斜磁界となっており、ここに細胞を置くことにより23T/mの条件での実験も可能である。漏洩磁界対策のためにシールドを施しており、2m離れた位置での漏洩磁界は0.5mT以下であった。対照部についてもニッケルー鉄合金板によるシールドしており、対照部における磁界は30~50μTであった。この装置を用いて、大腸菌細胞を対照に7T、24時間曝露実験を3回繰り返して行った。 <結果>大腸菌への曝露実験の結果は、7Tの磁界へ曝露した方の細胞の数が、対照のものより70%多くなった。

ばく露