[「英国のラジオおよびテレビ送信機近隣地域におけるがん発生率:第1報および第2報」に関する質疑応答] comment

Re: "Cancer incidence near radio and television transmitters in Great Britain. I. Sutton Coldfield transmitter; II. All high power transmitters".

掲載誌: Am J Epidemiol 2001; 153 (2): 204-205

(CherryからDolkへの質問) Dolkによる最も広範で詳細な研究は、住民疫学調査の大きな問題点を示している。著者らは非常に弱い結論に達したとしているが、実際には彼らのデータは、RF/マイクロ波の居住地ばく露がんの間の因果関係の強い証拠を提出していると思う。その理由は、がん発生率が居住地ばく露パターンと密接に連動しているからである。放送アンテナは信号を水平方向にビームを絞り、サイドローブは6km以内の地表面上に当たり、一連の波状になる。サイドローブの位置と強度はキャリア周波数の関数である。VHF (30-300 MHz)信号では、第1サイドローブは1km以内で最大ピークになる。UHF (300-3000MHz)信号では、最大ピークは1km以遠である。したがって、これらの周波数は特徴的な2つの照射パターンを生じることになる。UHFの場合、タワー近くは低ばく露で、1.5から6kmの間で波状にピークを作りながら上昇し、それ以降は距離と共に低下するような、パターンAを生じる。VHFおよびVHF/UHF混合のタワーの場合、1km以内に一つのばく露ピークがあり、約6kmの距離までは強度の低い一連のピークがあり、それ以降は距離と共に連続的に低下するような、パターンBを生じる。 これら照射パターンの性質ゆえ、タワー近辺での健康影響の有意な増大を検出するためには、次の3つが存在することが必要である。1)VHFの高出力タワー、2)タワーから1km以内の面積は小さいため、高い人口密度、3)RFによる健康影響。Dolkらの研究においては、パターンBはただ一つ存在する:Sutton Coldfieldでの成人白血病の発生パターンである。Sutton Coldfieldは人口高密度地域にあるVHFを放射する唯一の高出力施設である。他の施設およびがんのパターンは、成人白血病その他のがんで全てパターンAであり、1から6kmで典型的な波動状のパターンが見られる。このようなパターン比較では交絡が起きる確率はほとんど無いほど小さい。したがって、ICNIRPガイドラインなど現在の基準の1%以下の極めて低い平均強度のRFへの慢性ばく露成人がんとの因果関係を、この結果は示唆していると考える。(Dolkの回答) 我々の論文に関するチェリー博士のコメントに対し謝意を表する。我々の第2報において、「Sutton Coldfield での結果が他の送信機周辺(特にCrystal Palaceで顕著に)で再現されなかったのは、事実としてラジオ送信機と白血病との間に因果的関連がないのか、あるいは、距離により平均ばく露が低下するモデルが全ての送信機に対しては適切ではないのか、どちらかの理由により起きた可能性がある。」と我々は結論した。チェリーは、距離により平均ばく露が低下するモデルはFM単独およびFM/TV混合の送信機(例えばSutton Coldfield)に対して適切であるが、TV単独の送信機(例えばCrystal Palace)には適さない、という話を持ち出している。我々の先の論文で述べたように、Sutton Coldfield周辺での測定では、FMおよびTV周波数にそれぞれ関連した電界強度は、平均すると送信機からの距離とともに低下することが示された。ただし、送信機からの距離によらず、どの距離でも、測定地点間で相当大きな変動があった。チェリーは、FM共同のTV放送とTV放送単独の場合、何故、TV周波数の電界強度低下が異なるパターンを示すのかを説明していない。また、チェリーが証拠として引用した2件の研究の結果が、特にCrystal Palaceに対してどのように適用可能であるかについて明確にしていない。チェリーの解釈を評価するために、この点を明らかにしてもらえればありがたい。

ばく露

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