研究のタイプ: レビュー (疫学研究)

[携帯電話使用による脳腫瘍リスクを見積もる: 既発表の症例対照研究群] review

Estimating the risk of brain tumors from cellphone use: Published case-control studies

掲載誌: Pathophysiology 2009; 16 (2-3): 137-147

本稿では、初期の携帯電話研究の結果を振り返る。それらにあっては、腫瘍発生を予測するにはばく露期間があまりに短かった。それとともに、もっと最近の、より長いばく露期間についての2群の研究を吟味する:インタホン における研究群と、レナート・ハーデル博士によって導かれたスウェーデンの研究群である。これらの最近の研究は実にさまざまの結論に至っている。4件の例外はあるものの、産業界が資金援助するインタホン研究群では、携帯電話使用による脳腫瘍リスクの増大を見出していない。一方、スウェーデンの研究群は、産業界からの資金援助を受けておらず、携帯電話およびコードレスホン使用による脳腫瘍リスクの、明らかな増大を示す数多くの結果を報告している。インタホン研究群からのデータを分析したところ、携帯電話使用が使用者を脳腫瘍から『守る』か、あるいは、これらの研究群に設計上の深刻な傷があったか、どちらかであることが示唆されている。11個の傷が数えられる:(1)選択バイアス、(2)不十分な潜伏時間、(3) 携帯電話の「常用」者の定義、(4)ヤングアダルトと児童の除外、(5)いなかの地域でより高レベルの放射をする携帯電話からの脳腫瘍リスクが調査されていない、(6) その他の送信源へのばく露が除外されている、(7)除外されている脳腫瘍タイプ、(8)携帯電話放射プルームの外にある腫瘍ばく露として扱われている、(9)死亡や、その他の疾病を理由に除外した脳腫瘍ケース、(10)携帯電話使用の再現正確度、(11)資金援助バイアス、である。インタホン研究群は11個の傷すべてを持ち、スウェーデンの研究群は3個の傷を持つ(上記8、9、10番)。スウェーデンの研究群からのデータは、もし携帯電話使用が脳腫瘍へのリスクなら、どのようなことが起こるかという予測と符合する。一方、インタホン研究群のデータは疑い深い。もし、リスクが存在するなら、大衆が支払う健康コストは大きなものとなろう。これらが、予防原則の適用が指示されている環境である。低コストの選択肢が、大きさについてのいくつかの規則によって、携帯電話放射線の人体吸収を低減できるなら、なおのことである。

影響評価項目

ばく露