[イギリスの成人におけるELF磁界への職業ばく露] tech./dosim.

Occupational exposure of UK adults to extremely low frequency magnetic fields

掲載誌: Occup Environ Med 2009; 66 (9): 619-627

【背景】最近の疫学研究は、固定的作業-ばく露マトリクス(JEM)に基づく極低周波(ELF)磁界(MF)への職業ばく露を、職名や職階だけを基に分類する傾向にある。しかし、イギリスの一般集団における職業ばく露はうまく説明されていない。【目的】本研究は、イギリスにおけるELF MFへの職業ばく露レベルを評価し、またイギリスの成人における脳腫瘍研究(UKABTS)における被験者ばく露を評価する目的で行われた。【方法】個人のELF MF測定はEmdexⅡ磁界メーターを使用して、UKABTSの2地域で実施された。ばく露記録は、異なるばく露測定基準の下で、職場期間、移動期間、他の場所での期間に分けられた。ばく露は、標準職業分類(2000)、標準業種分類(1997)、職業と産業の複合分類によって分類された。統計的分析(混合効果モデル)によって、職業ばく露の24時間累積ばく露への寄与、職業および産業の全分散への寄与が測定された。【結果】データは、UKABTSの被験者(n=192)、UKABTS被験者の職業的代理人(n=101)、“関係すえう”学識者(n=24)で構成される317人から得られた。そのうち236人が117職種にわたる職業データを提供した。平均ばく露は、家庭よりも職場の方が著しく高かった。職業ばく露の高い平均値は溶接工、印刷工、電話交換手、書類整理や他の記録補助の職業に見られた。職業に基づいた固定JEMの区分は、分類を産業と結びつけることによって、また文脈情報の使用によって改善することができる。【結論】今回の報告は、イギリスでのELF MKの成人ばく露における十分な情報で構成されている。作業コードのみに基づくばく露評価の精度は、産業コード、あるいは職場環境での電子ビーム溶接機のような設備や送電線変電所の文脈的知識と結び付けることによって向上することを示している。

ばく露