[低地オーストリアの住宅寝室における電磁界ばく露の調査] tech./dosim.

Survey of electromagnetic field exposure in bedrooms of residences in lower Austria

掲載誌: Bioelectromagnetics 2010; 31 (3): 200-208

世帯における、電界磁界、あるいは電磁界EMF)へのばく露度の調査は従来、送電による EMF高周波EMF (RF-EMF) に関してであった。我々は、ベッドサイドにおける点測定の結果を報告する。ベッドサイドは、静電界、極低周波電界(ELF-EF)、極低周波磁界(ELF-MF)、そして高周波電磁界RF-EMF)から成り立っている。低地オーストリアの全域にわたり、226世帯で計測がなされた。それに加え、簡単な低減手段(例えば、時計付きラジオをどけるか、ベッドから遠ざける、デジタル式高性能コードレス遠距離通信(DECT)電話のベース・ステーションのスイッチを切るなど)の効果も査定された。計測結果の全ては、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)によるガイドラインの数値をずっと下回るものであった。夜間の ELF-MF平均値(午後10時から午前6時までの長時間計測をして、世帯全体に渡り幾何平均した値)で100 nTを超えるものは2.3%であった。また、RF-EMF で1000 μW/㎡ を超えるものは全戸の7.1%であった。最も高い ELF-EF の原因は第一にベッドサイドの照明であり(最大値=166 V/m)、最も高いELF-MF の原因は附属器具の変圧器(最大値=1030 nT)や送電線の大電流(最大値=380 nT)であった。RF-EMF の最大値は、 DECT 電話のベース・ステーション(最大値=28979 μT)や携帯電話のベース・ステーション(最大値=4872μW/㎡)によって引き起こされていた。簡単な低減手段による結果数値は、平均で、ELF-MF については 23 nT の、ELF-EF については 23 V/m の、RF-EMF については 246μW/㎡ の減少として現れた。ELF-MF ばく露と、総体的 RF-EMF レベルの相関性は小さいながらも統計上顕著であり、R=0.16(P=0.008)として算出された。この値は、家屋のタイプ(フラットタイプか、一戸建てか)や家屋の位置(都会か、田園か)とは無関係であった。

ばく露