研究のタイプ: インプラント/医用機器に関する研究 (experimental study)

[デジタルメディアプレーヤが原因で生じたテレメトリとペースメーカとの電磁干渉の特性] dev./impl.

Characteristics of telemetry interference with pacemakers caused by digital media players

掲載誌: Pacing Clin Electrophysiol 2010; 33 (6): 712-720

この研究は、植込み型心臓ペースメーカ本体とプログラマ装置間のテレメトリ交信へのデジタルメディアプレーヤ(iPod:写真および3G)による電磁干渉の可能性を調べた。テレメトリ交信は、ペースメーカに近い皮膚の上に置かれたワンドを介して行われる。50人の患者を対象に、ワンドとペースメーカ間のアップリンク(リアルタイムの心臓電位図、マーカーチャネル、および保存されたヒストグラム)およびダウンリンク(レート下限値、ペーシングモード、および心室リード構成の変更プログラミングデータ)の通信にデジタルメディアプレーヤが引き起こす干渉の特性を調べた。また、テレメトリ中のワンド(≤ 0.4 μT)、ペースメーカー(≤ 0.004 μT)、およびiPod(≤ 0.05 μT)からのワーストケース磁界放射(MFE)を測定・特性評価して、データ通信中に使用される変調技術および安全プロトコルを理解した。その結果、テレメトリ干渉(TI)事象として、通信中に高周波スパイク(24.4%)、ブランキング(17.7%)、中断(22.2%)、または遅延(17.6%)が現れ、プログラマのスクリーン上に警告表示された;TIは、iPodが「オン」のときに患者の25.6 %で発生し、iPodが「オフ」のときでも13 %で発生した;ダウンリンク通信が成功の場合、ダウンリンクされたデータに不正確さはなかった;ワンドを介したテレメトリは、低周波(30 – 300 kHz)電波と比較的低率の単純なデジタル変調技術を用いて、連続的ハンドシェイクによって保護されたシーケンシャルデータ送信を行っているので、その範囲のiPodからの放射はテレメトリ通信を妨害することはあるが、それは非常に微弱であるため、重要データの破損によってペースメーカの誤動作を引き起こすようなことは起きない、と報告している。

ばく露

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