[健康研究を目的とした0-3000 Hz磁界のデジタルベクトル波形分析] tech./dosim.

Analyzing digital vector waveforms of 0-3000 Hz magnetic fields for health studies

掲載誌: Bioelectromagnetics 2010; 31 (5): 391-405

この研究は、労働衛生研究における磁界ばく露評価改善のために著者らが開発した0-3000 Hz帯域の磁界ベクトルB(t)個人ばく露計Multiwave System III の性能を示している。全労働時間測定と作業別測定の数百個の測定値を処理するため、磁界の物理的特性と様々なメカニズム(磁気誘導ラジカルペア相互作用、イオン共鳴など)を通した人体と磁界の相互作用の結果を計算する新しいコンピュータープログラムを開発したと述べている。周波数領域での自動計算では、新しいアルゴリズムを開発して磁界のフーリエ変換の際に生じるアーチファクト(原因は、電子ノイズ・鋼鉄製物体による地磁気の擾乱を横切る人体の動き)を除去し、周波数に依存する尺度の精度を33倍改善したと述べている。最終的にこの個人ばく露計が与えるのは、全労働時間ばく露を2/15秒のサンプリング間隔で計算した41種類のばく露尺度と8個の要約尺度の組み合わせになり、結果としてモニターされた個人別に294のばく露尺度となるという(これらの尺度は表1に示されているが、磁界強度やその時間変化分などの他に、例えば、カルシウムイオンサイクロトロン共鳴周波数などの尺度が多く含まれている)。

ばく露