[個人用RFばく露計で計測されたばく露と人体ばく露との関連:シミュレーション研究] tech./dosim.

The association between exposure determined by radiofrequency personal exposimeters and human exposure: A simulation study

掲載誌: Bioelectromagnetics 2010; 31 (7): 535-545

この研究は、個人ばく露計での測定値に人体の存在が与える影響を分析している。疫学研究でのばく露評価において個人ばく露計を用いることは妥当であるが、その測定値にはある種の限界がある。限界をもたらす要因には、ばく露計のダイナミックレンジの他、ばく露計を携行する人体の影響、ばく露計の受信アンテナの特性や周波数バンド、チャンネル、スロット構成、通信トラフィックへの依存性などがある。この研究では、人体近くのばく露計の位置で測定した界強度と、人体の存在なしでの人体位置における界強度との関係を、解剖学ファントムであるVisible Humanモデルを用いた数値計算で調べた。計算のために、(1)FM、GSM、UMTSについては都市の屋外シナリオ(街路交差点の4棟の建物の1つの屋根に送信アンテナが設置されている)、(2)WLANについては屋内シナリオを設定した。その結果、個人ばく露計での過小評価率(人体が存在しない場合の人体体積平均の界強度に対するばく露計位置における平均界強度の割合)は、GSMで0.76、UMTSで0.87であり、FMでは過小評価は見られず、その比率は1であった;WLANの場合、過小評価率はさらに大きく0.64であった、と報告している。但し、今回得られた数値から一般的な補正係数が与えられるものではないと断っている。

ばく露