[マルチバンド基地局アンテナの前面におけるばく露評価] tech./dosim.

Exposure assessment in front of a multi-band base station antenna

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (3): 234-242

【目的】マルチバンド(900, 1800, 2100 MHz基地局アンテナの前面における職業的ばく露を調べること。【方法】FDTD法で計算を行い、まずは、文献に公表されている測定結果と照合してアンテナモデルの妥当性を検証する。次に、アンテナからの距離10mmから1000mmにおける人体モデル(解剖学的に正当な不均一人体モデルであるVirtual Family の男性および女性モデル)におけるSARを検討する。3つの異なる周波数の同時ばく露、それらの相互作用および各周波数がもたらすSARの加算性に特に注意を向けた。【結果】最も高い周波数2100 MHzで、組織10g平均SARの最も高い空間ピーク値が生じる一方、全身SARは3つの周波数で類似している。アンテナから200mmを超える距離では、ばく露ガイドラインの遵守のためには、全身SARがより重要な制限因子であるが、それより近い距離では、SARの空間ピーク値がより重要な制限因子である。組み合わせばく露を評価するためには、各周波数におけるSARの空間ピーク値の最大値の単純合計が組み合わせばく露の良い推定値となるが、これは各周波数バンド送信電力の構成割合に依存することが示された。

ばく露