[軽症ないし中等症の高血圧患者に対する1μTの超低周波磁界ばく露と擬似ばく露:二重ブラインド法、無作為化による研究] med./bio.

A 1-µT extremely low-frequency electromagnetic field vs. sham control for mild-to-moderate hypertension: a double-blind, randomized study

掲載誌: Hypertens Res 2011; 34 (3): 372-377

【目的】 1 μTの ELF電磁界への反復ばく露が、軽症ないし中等症の高血圧患者の血圧に与える影響を二重盲検、無作為化した実験により調べること。【方法】軽症ないし中等症の高血圧患者20人を無作為にELF電磁界ばく露群と擬似ばく露群に割り付けた(それぞれの平均年齢は52.8歳、55.1歳)。ELF電磁界ばく露群は、6Hzおよび8Hzの磁界(ピーク磁界強度1 μT)および電界(ピーク電界強度10 V/m)への10分から15分間のばく露セッションを毎週少なくとも2回、4週間受けた。擬似ばく露群では電磁界発生器の電源を入れなかった。収縮期および拡張期血圧(SBPおよびDBP)を、実験登録時と各ばく露セッションの開始前と終了後に測定した。【結果】平均セッション数は、ばく露群9.9回、擬似ばく露群9.0回であった。ばく露群と擬似ばく露群で有意差があったのは、ベースラインとばく露セッション終了時のSBPの値の変化であった(p=0.02)。DBPには変化が見られなかった(p=0.21)。ばく露群で2人の被験者が手に軽度の感覚異常を報告した以外に有害な影響は見られなかった。【結論】今回の実験で、ELF電磁界への反復ばく露は軽症ないし中等症の高血圧患者の血圧を低下させる影響が見られた。

ばく露