[ネズミの皮下血管におけるミリ波エネルギー吸収の増強] tech./dosim.

Enhanced absorption of millimeter wave energy in murine subcutaneous blood vessels

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (6): 423-433

【目的】ネズミの皮下脂肪層を縦断する血管によるミリ波MMW)の吸収について明らかにすること。【方法】次の2つのモデルについてFDTD法で計算した。モデル1:多層組織からなる直方体モデル。脂肪層内を縦断するように血管が配置されている。モデル2:実際の寸法でネズミ四肢を模擬した、断面が正円または楕円の断面を持つ円柱モデル。【結果】電界の向きが血管の中心軸と平行な時、脂肪層内の血管におけるSARは最大値になることが示された。42 GHzにおいて、小血管でのSAR の最大値は皮膚のものより30倍以上大きくなる可能性がある。血管径が小さくなるにつれて、また脂肪層が厚くなるにつれて、血管のSARは増加した。ミリ波周波数が高くなるにつれてSARは減少した。円柱または楕円柱モデルにMMW平面波が入射する場合、MMWエネルギー吸収はモデル側方部分血管で最大になった。この部分でのSARの最大値は、前面の皮膚におけるSARの最大値と同等か、やや大きかった。【結論】脂肪層を縦断する血管でMMWエネルギー吸収が増強されることは、MMWが血管細胞および皮下血管の拡張に与える影響において重要な役割を果たすかも知れない。

ばく露