[コメント:ヒト耳下腺分泌に対するハンドヘルド携帯電話の影響] comment

The influence of hand held mobile phone on human parotid gland secretion

掲載誌: Oral Dis 2011; 17 (1): 123

Oral Disease編集者C. Scully殿へ Goldwein O and Aframian DJ (2010)の論文 「ヒト耳下腺分泌に対するハンドヘルド携帯電話の影響」の対象と方法に関して、以下の点を質問する。 1. 貧血は唾液分泌量に影響するので、対象から貧血症の患者を除外すべきと考える。 2. 除外クライテリアは過去の頭部と頸部の怪我だけであり、その他の部位の外傷が唾液分泌量を変化させることはないと見ているようだ。 3. 唾液分泌量およびたんぱく質濃度は、主な携帯電話使用側が右の人と左の人で異なっている。この結果について予備的な説明がない。今後の研究へのコメントとして、記載した方がよい。 4. 対象者の半数がハンズフリー機器を使用していたと報告している。ハンズフリー機器はばく露が高いことを考えると、もし、右の人全部あるいは殆どがハンズフリー機器を使用していたとしたら、それが左右差 の原因ではないか? 5. 交感神経系に対する携帯電話使用の影響が小さいならば、使用側によるたんぱく質濃度の違いは説明できないではないか。さらに言えば、唾液分泌量の増加を説明する仮説は、毎日の携帯電話使用時間と唾液分泌量との間に相関はなく、携帯電話使用年数の増加につれて左右の分泌量の比率は減少するという研究結果に反するものである。原著論文は客観的な結果と予備的説明のみを示すものと考える。これらは重要であるにも係わらず、ディスカッションでの記述は短いので、結論でこれらについて言及することを推奨する。

ばく露

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