この論文は、2007年8月までに公表された研究を含めた、無線周波電磁界(RF-EMF)ばく露と健康からみた生活の質(QOL)との関連に関する前回の体系的レビュー(Roosli 2008)を更新したものである。前回のレビュー後に、9件の無作為化試行研究が、携帯電話のように身体に接近するRF-EMF発生源からの短期ばく露に取り組み、2件の観察研究が、健康関連のQOLに対する携帯電話の影響を調べた。6件の無作為化試行研究が、例えば携帯電話基地局からの遠方電磁界の短期ばく露に取り組み、8件の研究が環境中のRF-EMF遠方電磁界ばく露の影響を評価した。無作為化試行研究の大半において、ばく露-反応関係は観察されなかった。散発的に報告されている関連性は、症状のタイプまたは影響の方向(増加または減少)に関して一貫したパターンを示さなかった。同様に、最近の観察研究の大半は、RF-EMFばく露と非特異的症状との関連を示さなかった。しかしながら、ばく露の変化度は小さく、ばく露後分類の可能性がこれらの研究の限界となっている。長期的研究と小児および青年期における研究は不足している。要約すると、最近の研究は、我々の日常環境におけるRF-EMFばく露により健康からみたQOLが影響を受けることを示していない。さらに言えることは、自己申告の電磁過敏症(EHS)である人がその他の人よりRF-EMFへの感受性がより高いことを示した研究はない。それでもやはり、急速な技術開発とばく露レベルの予想される増加を考えれば。より一層の長期研究を実施することは是認される。無線通信技術の広範な利用により、潜在的な健康への悪影響は主要な公衆衛生問題であると思われる。
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