研究のタイプ: レビュー (疫学研究)

[携帯電話と神経膠腫のリスク:証拠のレビュー] review

Cell phones and glioma risk: a review of the evidence

掲載誌: J Neurooncol 2012; 106 (1): 1-13

携帯電話使用に係わる神経膠腫リスクについての文献レビューである。携帯電話の電磁波の頭部吸収、それによる生理学的変化の可能性についてもいくつかの論文を紹介しているが、内容の大半は疫学研究の結果の分析である。疫学研究を、短期ばく露(10年以内)とこれ以上の長期ばく露の結果に分け、それぞれについてHardellグループの研究とインターフォン研究の結果を非常に細かく比較している。また両方の研究デザインについても説明し、将来の多数の疫学研究が統計的に高感度で正確なプール分析に耐えるために、各研究が標準的に満たすべき研究デザインの要件を考察している。結論としては、「携帯電話使用と神経膠腫リスクの関連について肯定または否定の両方の結果があるものの、両者とも明確な答えとはなっていないことは明らかである。長期ばく露についての研究結果にさえ一貫性がないことを考慮すると、今後進むべき方向は、標準化された研究デザインにしたがってさらに研究を行うことである」としている。

影響評価項目

ばく露