研究のタイプ: 疫学研究 (exposure assessment/dosimetric study)

[小児白血病と磁界ばく露評価の症例対照研究] tech./dosim.

Magnetic field exposure assessment in a case-control study of childhood leukemia

掲載誌: Epidemiology 1997; 8 (5): 575-583

米国の国立がん研究所と小児がんグループ(NCI-CCG)によって行われた小児白血病の大規模な症例ー対照研究について、磁界共同測定研究に使用された種々の磁界測定法の有効性を比較する。<方法>人口の移動が比較的少ない米国中西部、中東部の9つの州を選び、1989~1993年に新たに診断された急性リンパ芽球性白血病の症例1914、対照1987を対象として、一定住所での居住期間が基準に合致し、参加を承諾した症例638、対照620の面接を行うと共に、現在及び以前の住居について磁界測定を実施した。更に、近くの電力線との位置関係から分類されたW/L法によるワイアコードを決定した。磁界測定は特に診断日から少なくとも24ヶ月以内に行うこととし、EMDEX-Cにより寝室で24時間、標準化された居間と台所及び玄関での30秒の測定を、通常電力下と低電力下で行った。居住期間により時間加重平均磁界曝露値が算出された。<結果>住居概略測定値と寝室の24時間測定値が非常に良く相関した。このことは寝室での測定が磁界曝露条件について優れた情報を提供することを示している。居間と台所の測定は余り重要な情報ではないように思われる。また通常電力と低電力の下での測定値には差は殆どなかった(表5)。0.2μT以上の測定値について見ると、玄関の測定値、住居概略測定値、寝室の24時間値のいづれを用いても、0.2μT以上に分類される住居の割合はほぼ等しかった(表6)。研究への参加に同意した対照群と参加を拒否した対照群とではワイアコードの分布が同様であったことから(表8)ワイアコードから得られたリスク推定値はresponse biasの影響を受けていないと判断された。この測定においては、磁界の基本周波数成分以外に高調波周波数成分と過渡的磁界に関する情報を分けて得ることは出来なかった。

ばく露

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