[論説:インターフォン、IARC、無線周波電磁界:次はどこへ?] comment

Interphone, IARC and radiofrequency fields: where to next?

掲載誌: Occup Environ Med 2011; 68 (9): 629-630

この論説は、本雑誌(Occup. Environ. Med. Vol. 68, 6月号)に掲載されたCardisらの論文2件(Interphone研究の一環)の紹介とその関連の考察をしている。Cardisらの論文は、「インターフォン研究における携帯電話により脳で吸収されるエネルギーの見積もり」(本データベースID:A20110123)、および「携帯電話によるRFばく露見積もり値に関連した脳腫瘍リスク:5ヶ国のインターフォン研究の結果」(同ID:A20110124)で、total cumulative specific energy (TCSE)と称するばく露指標を開発し、それを用いて携帯電話使用と神経膠腫等の脳腫瘍リスクプール分析をしたものである。本雑誌によるこの2件の論文の受理は、IARCのRF電磁界発がん性分類のワーキンググループの会合の直前であり、それを受けてこれら論文が評価に含められたことがIARCのプレスリリースにも明記された。著者は、携帯電話脳腫瘍リスクの関連の疫学研究の結果は十分な説得力を持たず、研究間に様々な不一致が見られること、動物細胞研究においてIARCの今回の分類では共発がんの若干の証拠を取り上げたことに対し、この分野の研究結果にも不一致が大きいとの見解を示している。最後に、現在継続中の研究プロジェクトを紹介し、様々なギャップを埋める必要性を結語としている。

ばく露