研究のタイプ: レビュー (治療に関する研究)

[総説:パルス電磁界(PEMF)を応用した全身用装置の治療効果:系統的文献レビュー] review

Therapeutic effects of whole-body devices applying pulsed electromagnetic fields (PEMF): A systematic literature review

掲載誌: Bioelectromagnetics 2012; 33 (2): 95-105

【背景】治療応用から安寧度の増進目的までの幅広い用途のために多くの国でパルス電磁界PEMF)を与える全身用マットの販売が促進されている。しかし、治療の有効性についても、マットによって引き起こされる健康ハザードの可能性についても系統的に評価されていない。【目的】低周波PEMF装置の治療効果を調べた臨床試験について系統レビューを行う。【方法】これまでに行われた無作為化され、擬似ばく露対照群とする二重ブラインド化された臨床試験で取り組まれた全ての健康作用の結果を評価の対象とした。全部で11件の臨床試験が同定された。【結果】これらの臨床試験の目的は、ひざ(3件の試行実験)または頸椎(1件)の関節炎、線維筋痛症(1件)、痛み認知(2件)、皮膚潰瘍の治癒(1件)、多発性硬化症関連疲労(2件)、心拍数変動および安寧度(1件)であった。サンプルサイズの範囲は12人から71人であった。観察期間は最大12週間であり、適用した磁束密度の範囲は3.4から200 μTであった。いくつかの臨床試験で、健康へのポジティブな作用が散発的に観察された。しかし、そのような単発の知見について独立的な再確認は行われていない。【結論】全身用PEMF装置の治療効果についての科学的証拠は不十分であると結論する。急性の有害な影響の報告はない。しかし、長期的に適用した後に起きる有害な影響についての研究はない。総括すれば、高品質の二重ブラインド臨床試験によるもっと科学的な証拠を得ることなく低周波全身用PEMF装置を治療目的で使用することは推奨できない。

影響評価項目

ばく露