[ナノ秒電気パルスはJurkat細胞のミトコンドリア膜の透過性亢進を生じる] med./bio.

Nanosecond electric pulses cause mitochondrial membrane permeabilization in Jurkat cells

掲載誌: Bioelectromagnetics 2012; 33 (3): 257-264

【背景】高電圧ナノ秒電気パルス(nsEP)は、細胞膜および細胞小器官の膜の透過性亢進を誘導し、その結果としてミトコンドリアからのチトクロームc放出、アポトーシスに関連するカスパーゼ活性化など細胞に種々の反応を起こす。【目的】生きた細胞のミトコンドリア膜におけるnsEPによる透過性亢進の証拠を報告すること。【方法と結果】3種類の蛍光指標(rhodamine 123 (R123)、tetramethyl rhodamine ethyl ester (TMRE)、cobalt-quenched calcein)を用いて、複数パルスnsEP(5個以上のパルスパルス間隔4 ns、10 MV/m、繰り返し周波数1 kHz)がJurkat細胞のミトコンドリア内膜の透過性の上昇とそれに伴うミトコンドリア膜電位の低下を引き起こすことを示した。これらの影響は、ミトコンドリア内膜のnsEPによる透過性亢進、またはミトコンドリア膜透過性遷移孔の活性化の結果と考えられる。ミトコンドリア膜の透過性亢進の他に、形質膜の透過性亢進(YO-PRO-1 influx)も検出された。

ばく露