[1.5テスラのMRのRFコイルに対する位置の変化による子供および成人の解剖学的詳細モデルでの局所SARの増強] tech./dosim.

Local SAR enhancements in anatomically correct children and adult models as a function of position within 1.5 T MR body coil

掲載誌: Prog Biophys Mol Biol 2011; 107 (3): 428-433

【背景】磁気共鳴画像法MRI)の利用は、その優れた軟組織のコントラストと診断的有用性の向上によりますます増加が続いている。またMRIは電離放射線を用いないで画像を得るという利点もある。安全上の主な関心は、静磁界によるトルクと加速度、勾配磁界による神経刺激RF電磁界による生体組織熱作用である。【目的】現行のRF規制を適用した場合、成人に比べ小児胎児リスクは高くなるか否かを調べること。【方法】成人5人、小児3人(5、11、14歳)、妊婦1人(妊娠36週)について、Z軸上の10ヶ所の位置(頭からふくらはぎまで)の局所的なエネルギー吸収によるホットスポット(任意の組織10g平均比吸収率の空間ピーク値:psSAR10g)を計算し、比較した。【結果】動作モードがFIRST LEVEL OPERATING MODE(全身平均ばく露が4 W/kg)の場合、成人のpsSAR10g は胴体で60 W/kg、四肢で104 W/kgであった。小児ではこれらの値は43および58 W/kgとなり、胎児では14 W/kgであった。ワーストケースとして解剖学的なRFループが作られた状態をモデル化した場合、psSAR10gの値は2倍を大きく上回るほど上昇することになる。【結論】研究の結果、小児および胎児の局所ばく露成人より低い(15-75%)、すなわちRFによるpsSAR10g について小児および胎児に特別な配慮は必要ないことが示唆された。しかし、灌流されていない羊水が高い平均ばく露(最大4 W/kg)を受けることにより、出生前の胎児における局所的な熱負荷は著しく大きくなるかも知れない。

ばく露