[電界ばく露はU937単球細胞の偽足様突起形成を誘発し誘導する] med./bio.

Electric field exposure triggers and guides formation of pseudopod-like blebs in U937 monocytes

掲載誌: J Membr Biol 2012; 245 (9): 521-529

この研究は、ナノ秒パルス電界(nsPEF)で刺激されたヒト前単球細胞株U937に見られた陽極向性の偽足様突起(PLBs)について報告している。PLBsは、細胞損傷時に通常見られる球形の突起と違い、陽極に向かって長く細胞膜が突出した形状である。パルス変数および刺激時間を変えてPLBの長さを調べた結果、60-ns、10 kV/cmのパルスを10 - 20 Hzで与えると、刺激時間とともに長さが伸び、2分間で細胞の直径より長くなったことを示している。nsPEF誘発による通常の球形突起およびPLBの成長のメカニズムを検討するために、バッファ液の浸透圧一定でNaClに置き換えてしょ糖の濃度を上げていくと突起の数は徐々に減少したことから、コロイド浸透性水溶液の取り込みが突起形成を進行させることが示されたと報告している。また、通常の球形突起とPLBの違いを検討した結果、PLB形成には受動的作用(膜の浸透圧の物理化学的作用)と能動的な細胞骨格の組立の両方が影響することが示されたと報告している。

ばく露